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IDACORP INCIDA
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事業内容
IDACORP, Inc.は主に電力事業を中核とする持株会社です。 同社は主要子会社を通じて発電・送電・配電・小売販売・電力購入を行い、南アイダホ州と東オレゴン州で約64.9万件の小売顧客に電力サービスを提供しています。 また、低所得向け住宅への投資や小規模水力発電などの非中核事業も保有しています。
同社の主要な顧客は家庭や事業所を含む小売顧客で、約54.7万件が家庭向けです。 収益は主に電力の小売料金に依存しており、料金設定はアイダホ州・オレゴン州の公的規制機関や連邦機関の監督下で行われるため、比較的安定した収入基盤を構成しています。 一方で、料金や収益は規制当局の承認プロセスや市場の燃料調達コストに影響を受けます。
事業セグメントはほとんどが電力事業で、発電(ダムなどの水力や火力を含む)、送配電網の維持、需要に応じた電力の調達と販売を行っています。 加えて、同社は石炭供給に関わる合弁や小規模再生可能設備の運営、税額控除を活用した不動産投資などを通じて事業ポートフォリオを補完しています。
経営方針
同社は安定的な株主還元と規制事業を基盤とした着実な成長を目指しています。2024年の親会社としての当期純利益は約2億8,917万ドル、同年の普通株配当支払額は約1億7,561万ドルで、配当継続と目標配当性向の維持を経営方針の重要な柱としています。資本調達面では2024年に約2.98億ドルの普通株発行や市場での株式売出しプログラム(ATM)を活用し、流動性と資本構成の強化を図っています。これらにより、約5,490万人分ではなく約53.98百万株の発行済み株式を背景に、長期的に安定したキャッシュフローの創出を重視しています。
同社は投資の重点を送配電網の維持・更新、発電資産の転換、安全・信頼性強化に置いて差別化を図っています。主力子会社であるIdaho Powerは南アイダホと東オレゴンで約64.9万件の小売顧客(うち約54.7万件が住宅)にサービスを提供しており、規制事業としての「地域独占」的な収益基盤を活かしてインフラ投資を行っています。具体的には、石炭火力の計画的な停止と天然ガスへの転換に伴う閉鎖費用や土壌・設備の修復費用を織り込むとともに、需給変動に備えたヘッジ取引やフォワード契約を使って価格リスクを管理しています。貸借対照表上は約32.1億ドルの投資保有や現金約1.78億ドルといった資産構成により、規制投資の資金基盤を確保しています。
同社は新市場や事業領域の開拓にも取り組んでおり、小規模水力を運営するIda‑Westや、低所得向け住宅投資を手掛けるIFSなどの子会社を通じて事業拡大を図っています。加えて、蓄電池(バッテリー)やコジェネレーション(熱電併給)に関する調達契約や購入コミットメントを進め、系統の柔軟性向上やピーク対応力の強化を狙っています。西部の送電・取引市場の構造変化(デイアヘッド市場等)を注視しつつ、規制当局との調整を通じて新たな収益機会を模索している点も特徴です。
技術革新に関しては、サイバーセキュリティと運用効率の両面で具体的施策を進めています。外部基準であるNISTやCISを採用したリスク管理フレームワークと、CISSPやCISMなどの資格を持つ専任チームによる防御層(ディフェンスインデプス)やインシデント対応体制を整備しており、サプライヤー契約にもインシデント報告義務を盛り込んでいます。加えて、蓄電池や需給管理技術の導入、金融面ではATMやフォワードセールといった資本調達手段の組合せによって、技術・資金の両面で将来の変化に備えています。