Iconic Brands, Inc.ICNB

時価総額
$107.94
PER
アルコール・ノンアルコール飲料の新興企業。イタリア・ヴェネト産有機ぶどうのワインとRTD/RTFのパウチ包装製品を展開。2021年7月26日のTopPop買収と2022年1月5日の約1,220万ドル増資。米国・欧州中心に展開。

事業内容

Iconic Brands, Inc.は「Better‑for‑You」「Better‑for‑the‑Planet」を掲げ、ワインや蒸留酒に加えて缶やパウチなど持ち運びしやすいパッケージの飲料を企画・販売しています。同社はベルリッシマのようなスパークリングワインやプロセッコに加え、フレキシブルパッケージ製品を展開してブランド化を進めています。

同社の主要な顧客は卸売業者や小売店、飲食店であり、QVCなどの直接販売チャネルや自社サイトでの直販も重要な売上源です。流通は輸入・供給→卸売→小売の仕組みで進め、同社は輸入・供給の許認可を保有し、倉庫業務は外部委託で運営しています。

事業は伝統的なボトル入りワイン事業と、TopPop子会社が手がけるパウチや小容量缶などの新しいパッケージ事業に分かれています。同社はイタリアの有機ぶどう生産者や提携ワイナリーと協働して製品の開発・バルク生産を行い、ブレンドや容器の工夫で各ブランドの差別化を図っています。

経営方針

同社は持続的な売上成長と収益性の改善を目指しています。直近の連結売上高は2022年で約1,474万ドル(うちTopPopが約1,132万ドル、Branded Beveragesが約342万ドル)に達しており、2021年のプロフォーマベースの売上見込み(約1,485万ドル)と同程度の規模感です。成長資金としては、2022年1月の資金調達で約1,220万ドルを調達(手取約1,100万ドル)しており、その用途としてBellissimaブランドの国内外展開、TopPopの生産設備拡張、新商品の投入、マーケティング、運転資金確保を明確に掲げています。同社は外部資本の追加調達が今後も必要であると認識しており、追加調達による株式希薄化の可能性を織り込んだ成長を目指しています。

同社は「Better‑for‑You(健康志向)」「Better‑for‑the‑Planet(環境配慮)」を核にしたブランド戦略に重点投資しています。差別化の主軸は製品のストーリー(オーガニック原料や独自ブレンド)とパッケージの革新で、イタリア・ヴェネトの認定ワイナリーと協業して生産コストを抑えつつ品質を確保する体制を取っています。加えて、TopPopでは軽量で持ち運びしやすいパウチ等の柔軟包装によるRTD/RTF(飲料の即飲形態)市場への参入を強化し、現場(オンプレミス)のスタッフ教育やインセンティブ、外部大手マーケティング会社を活用したスポーツ/エンタメ会場向け販促で差別化を図っています。

新市場開拓と事業拡大では、同社は流通面の統合とチャネル多角化を進めています。2021年には流通・ライセンスを有するUnited Spiritsを買収して輸入・卸のライセンス基盤を固め、米国内倉庫業務はDan‑Kayと連携して対応しています。販売チャネルは従来の卸売・小売に加え、QVCなどのダイレクト・レスポンスや自社ECでのDTC販売を活用しており、QVC経由での売上は2022年に約117万ドル(Branded Beverageセグメントの約34%、連結の約8%)に達しています。加えてTopPopの生産能力拡大や新製品投入を通じて、スポーツ施設やイベント会場など新たな販路を積極的に開拓する計画です。

技術革新については、パッケージ技術と関連する知的財産への投資を重視しています。買収時点でIP/Technologyの資産計上(約84.9万ドル)やブランド・顧客ベースの無形資産を認識しており、今後は「アクティブライフスタイル向けパッケージ」(スクリューキャップ、缶、小容量ボトル、パウチ等)の導入で消費シーンを広げる方針です。また、内部統制と開示体制の強化にも取り組んでおり、会計事務所と連携して手続きの見直しや人員補強を進めることで、財務情報の信頼性向上と将来的な成長投資を支える基盤整備を目指しています。