INTERNATIONAL BANCSHARES CORPIBOC

時価総額
$41.3億
PER
商業・消費者向け銀行業の大手。オンライン・モバイルバンキングや国際貿易向け国境越え銀行業務を展開。2000年3月の金融持株会社化、2024年12月31日時点で支店166・ATM255。テキサス州・オクラホマ州中心、メキシコ系預金が総預金の約31%(2024年)。

事業内容

INTERNATIONAL BANCSHARES CORPはテキサス州ラレドを拠点とする金融持株会社で、傘下の銀行を通じて地域密着の銀行業務を展開しています。同社は中小企業向けの商業金融を主力とし、個人向けの普通預金や住宅ローンなどのリテール業務、さらに国際貿易を支える外国為替や信用状といった国際銀行サービスを提供しています。

同社の主要な顧客はテキサスとオクラホマの中小企業および個人で、北メキシコに拠点を置く顧客との取引が多く、メキシコに居住する預金者が預金全体の大きな割合を占めています。収益は貸出による利ざやが中心で、口座手数料や国際取引手数料、投資収益などの非利息収入も重要な構成要素になっています。

同社は五つの子会社銀行を中核に、商業ローン、不動産ローン、消費者ローン、住宅ローンといった貸出業務に加え、クレジットカード、貸金庫、エスクロー、為替・信用状などの決済関連サービスを提供しています。支店網と多数のATM、そしてインターネット/モバイルバンキングを通じたチャネルで顧客接点を維持し、投資保有や不動産開発、投資銀行関連の持分を通じた補完的な事業も持っています。

経営方針

同社は持続的な成長と地域での市場シェア拡大を目指しています。特にテキサス州とオクラホマ州を主力市場とし、消費者・リテール向け業務や住宅ローンの強化に注力することで、預金と融資の拡大を図っています。現在、166の営業拠点と255台のATMを通じて75のコミュニティにサービスを提供しており、これらのチャネルを活用して顧客基盤を広げる方針です。過去に戦略的な買収で市場シェアを拡大してきた実績があり、今後も選択的な店舗展開や提携を通じて成長を追求しています。

重点投資分野としては、人材育成と顧客サービスの差別化を重視しています。同社は約2,103名の常勤社員と233名の非常勤社員を擁し、経営陣の長期在任率が高いこと(管理職の約66%が15年以上在籍)を強みとしています。従業員の多くがバイリンガルであり、顧客と地域のニーズに密着した個別対応を提供することで、地域密着型の関係構築を差別化要因としています。報酬制度や幅広い研修、インセンティブを通じて離職防止と技能向上に投資し、地域に根ざしたサービスで他行や非銀行系プレイヤーと差別化しています。

新市場開拓や事業拡大では、リテールロケーションやショッピングモール内の支店開設、消費者向け商品(住宅ローンを含む)の拡充を進めています。同社は国境をまたぐビジネスにも強く、メキシコに居住する預金者からの預金が全体の約31%(2024年)を占める安定的な資金源になっているため、これを活用してクロスボーダー取引や国際業務を拡大する戦略をとっています。現在は5つの子会社銀行を通じた地域展開を行っており、将来的には選択的なM&Aや新規出店で既存エリアの深耕と近接市場への拡大を図る見通しです。

技術革新については、デジタルチャネルとセキュリティへの投資を優先しています。同社は「IBC Bank Online」や「IBC Mobile Banking」による24時間対応のオンライン・モバイルサービスを提供しており、サイバーリスク管理を高優先度で取り組んでいます。多層的な防御や早期検知の仕組みを導入し、州レベルや連邦のデータ保護規制の変化にも対応するため暗号化などの対策を強化しています。内部統制については経営陣の評価と独立監査人(RSM US LLP)による監査で有効性が確認されており、これを基盤にデジタル化と規制対応を両立させながら競争力を高めようとしています。