ISHARES GOLD TRUSTIAU

時価総額
$636億
PER
金地金を裏付けとする上場投資信託(ETF)の大手。物理的金地金の保管とNYSE Arca上場のシェア取引を展開。ブラックロック傘下で運営、PwCが2024年に監査。米国・欧州中心に展開、2025年1月31日で667,500,000株発行。

事業内容

ISHARES GOLD TRUSTは、実物の金地金を直接保有し、その保有分に対する権利を表す上場投資信託の株式(ティッカー:IAU)を発行して市場で取引できるようにしています。同社は投資家に少額で実物金の価格変動に連動する投資機会を提供し、通常の証券口座を通じて売買できる形にしています。

主要な顧客は個人投資家や機関投資家、運用会社やアドバイザーで、取引所での売買や認定参加者を通じた大口の創設・償還が中心です。同社の運営は保有資産に対して差し引かれるスポンサー料や運営費で賄われ、その費用が基準価値(純資産価値)に反映します。

事業の実務面では、上場株式の発行・管理、実物金の安全な保管と定期的な検査、そして取引所での流動性確保を通じた投資環境の維持を組み合わせています。同社は金をニューヨークやロンドンなどの拠点で保管し、認定参加者の仕組みによって市場価格と基準価値の乖離を抑える役割も担っています。

経営方針

iShares Gold Trust(同社)は、物理的な金地金への直接的な投資機会を通じて資産運用残高(AUM)と投資家層の拡大を図っています。特定の公表された数値目標は明示していませんが、運用規模は大きく成長しており、2025年1月31日時点で発行済み株式は667,500,000株、2024年6月30日時点で非関連保有者の時価は約282億ドル(約2,819億ドルではなく、文書記載の約28,194,552,681ドル)にのぼります。同社は低コストで金現物にアクセスできる投資手段を提供することで、個人投資家から機関投資家、退職口座まで幅広い資金流入を狙っています。

重点投資分野は「物理金の保有と安全な保管」です。同社は保有金をニューヨーク、ロンドンおよび将来的に承認される他の拠点で信託保管し、1株当たりの価値を金の保有量に連動させる仕組みを採用しています。差別化点としては、実物金で裏付けられること、創設・償還(バスケット)を通じた裁定機会により二次市場の需給ゆがみを是正しやすい点、そして投資家負担を分散することで個別に金地金を保有するよりもコスト効率が高い点を掲げています。運営費用面ではスポンサー費用として2024年通期で約7,338万ドルの費用が計上されており、これを踏まえたコスト競争力も一つの訴求材料です。

新市場開拓や事業拡大では、税制上の取扱いを明確化する取り組みがなされており、個人の退職口座(IRA)での保有が「コレクティブル扱い」にならない旨の私的見解(プライベート・レター・ルーリング)を得ている点を活用して退職資金市場の取り込みを進めています。加えて、上場(NYSE Arca:ティッカー IAU)を通じた流動性確保や、証券会社・流動性提供者・取引所との連携強化により機関投資家や海外投資家への訴求を強め、発行・償還の仕組みで規模を柔軟に拡大できるようにしています。

技術革新への取り組みでは、スポンサーであるBlackRockの「マーケット運用基盤」やプロダクトエンジニアリングの投資を活用し、取引プラットフォームとオペレーションの堅牢化を図っています。同社は取引品質や決済の効率化、カストディ(保管)管理の高度化、そしてサイバーセキュリティ対策の強化に注力しており、これには専任の情報セキュリティ責任者(CISO)や外部監査・評価の導入が含まれます。これらにより同社は市場アクセスの利便性を維持しつつ運用リスク低減を目指しています。