Huadi International Group Co., Ltd.HUDI

時価総額
PER
ステンレス無縫製鋼管の大手。3,000超の製品ラインと47件の特許を保有した製品群を展開。2022年11月に1,000,000株を売却し約2,500万ドルを調達。中国拠点で米国・東南アジア・欧州を含む20カ国以上で展開。

事業内容

Huadi International Group Co., Ltd.は、中国を拠点にステンレス鋼のシームレス管、各種管材や棒材の開発・製造・販売を主力事業としています。これらの製品は建設やインフラ、火力・原子力発電所、車両、石油・ガス、化学などの分野で、高圧・高温・腐食といった厳しい環境下で使われます。

同社は国内20以上の省に流通網を持ち、米国やアラブ首長国連邦など20か国以上へ輸出しており、売上の大半は配管・管材製品の販売から得ています。収益は建設や非住宅向けの需要に左右されやすく、顧客集中度は期ごとに変動するものの、直近では上位数社がそれぞれ約10%程度を占めています。

同社の事業は幅広い製品ラインに分かれ、3,000以上の品目を製造しており、車載向けの304Lや347Hといった特殊ステンレス管など一部製品は国内で独自性を持っています。製造効率の向上や在庫・調達管理、倉庫や輸送のデジタル化による物流最適化を重視し、主要仕入先との関係強化や価格戦略で原材料価格変動を販売価格に反映させる取り組みを進めています。

経営方針

同社は内生的な成長と選択的な外部拡大を組み合わせて事業規模の拡大を目指しています。具体的には高付加価値のステンレス製無縫管や高級製品の開発に注力しつつ、需要変動に柔軟に対応するために製品ポートフォリオを随時見直す方針です。財務面では、2024年9月末時点で現金・現金同等物が約1,811万ドルあり、2022年11月には1,000,000株の売出しで約2,500万ドルを調達した実績がある一方で、営業資金調達は銀行借入や株主出資に依存してきたため、必要に応じて追加の資金調達(株式発行など)を行い生産能力拡大や水道分野への展開を支える計画です。

同社は品質と納期での差別化を重点に置き、製造工程の管理や品質試験、顧客ごとのカスタム対応を強化することで競争優位を確立しようとしています。具体策としては、出荷・物流のボトルネック解消のため倉庫のデジタル化・自動化を進めること、ベンダー管理型のAIMシステムを活用した需給計画の高度化、主要仕入先との長期的な関係構築により調達面での優位性を確保することを挙げています。価格面では原材料価格の変動を販売価格に反映させる戦略を取り、電線管(エレクトリカルコンジット)では輸送コストの顧客負担共有による実装実績があります。

同社は新市場開拓では国内の水道・給水分野への進出と海外販路の拡大を掲げており、既に20か国以上への輸出実績と3,000種類以上の製品ラインを基盤に据えています。拡大の手段としては生産能力の最適活用と追加設備投資、必要に応じたM&Aの検討を行い、重点的に高粗利製品へシフトすることで収益性の向上を狙っています。ただし、事業拡大に伴い人員増加(従業員数は2024年9月末時点で355名)や運転資金の確保が必要になるため、これらを前提とした資金調達と採用・教育計画を並行して進める方針です。

同社は技術革新と管理基盤の強化にも力を入れており、研究開発投資を継続して新製品開発と既存品の品質改善を進めています。実績としては子会社が保有する特許47件、商標10件があり、過去には研究開発費の増加(例:2022年度に約233万ドル)も実施しています。また、会計・業務・内部管理システムや契約管理の高度化、記録管理の改善といった内部インフラ整備を進め、物流のデジタル化と合わせて生産・出荷の効率化を図る計画です。経営陣は内部統制の強化を重要課題と認識しており、体制強化と人材採用を通じて技術面と管理面の両輪で競争力を高めることを目指しています。