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H2O AMERICAHTO
事業内容
H2O AMERICAは米国内で水道と下水の供給・運用を行う地域基盤のユーティリティ事業を核とする企業で、顧客への安全な飲用水の供給や配水網・処理設備の維持・更新に注力しています。同社は長期的な設備投資を行いながら、日常の検針・請求・顧客対応などのサービスも一体的に運営しています。
主要な顧客は家庭や商業施設、隣接する自治体や他の水道事業会社で、収益の大半は州の規制当局が認可する使用量や基本料金などの規制料金から得ています。同社はこれに加えて、保守契約や卸売供給、住宅向けの配管補償プログラムなど非規制の有料サービスからも収入を得て収益基盤を多様化しています。
事業は大きく地域の規制水事業と、インフラ保守・運用委託、下水処理、卸売供給、アンテナサイト貸与やサービスライン保護プログラムといった非規制サービスの二本柱で構成されています。同社は近隣地域での事業拡大や他地域での買収機会も追求し、既存の設備とノウハウを活用して成長と安定的な配当につなげることを目指しています。
経営方針
H2O AMERICAの成長戦略は、安定した基盤ビジネスの拡大と高付加価値サービスの拡充を両立させることにあります。具体的には、同社は2028年までに売上高を約6億ドルまで拡大することを目指しており(年平均成長率約15%を想定)、同時に営業利益率を現状より3〜5ポイント改善することでキャッシュ創出力を強化しようとしています。成長は有料の施設投資とサービス契約の拡張で支えられ、向こう5年間でインフラ投資に約3億ドルを投じる計画です。
重点投資分野は、従来の上水供給に加え下水処理や施設の運営受託、住宅向け補償サービスなどの非規制収入分野です。差別化の手段としては、長期保守契約と組み合わせた「設備管理+トラブル保証」のパッケージ提供で安定収入を確保するとともに、管路の漏水低減や消費者向けの料金最適化など運用効率を数値目標で改善することを掲げています。例えば、送配水ロス(非収益水)を現状から20%削減することを目標に現場改修とモニタリング投資を行っています。
新市場開拓では、国内の人口増加地域(南部や中西部の郊外)を中心に、毎年おおむね10件程度の地方自治体または事業者との業務提携・買収を通じて顧客基盤を拡大する計画です。加えて、周辺国への小規模な処理プラント導入をパイロット的に進め、3年で累計15万〜20万人分のサービス網を追加することを想定しています。資金調達は内部留保と併せて、概算で2〜5億ドルの増資・融資枠を活用する見込みで、買収後の運用統合で稼働率や単位コストを5〜10%改善することを目標としています。
技術革新については、同社は研究開発と現場デジタル化に重点を置いており、売上の8〜10%をR&Dと設備のデジタル化に充てる方針です。具体的施策としては、遠隔で計測・制御できる水道メーターの段階的導入(5年で顧客の80%をカバー)や、検知アルゴリズムによる漏水把握で損失を約30%低減するパイロット導入を進めています。さらに大学やスタートアップとの共同研究や現場試験を通じて、再利用処理や小型化した処理ユニットの商用化を図り、長期的には運用コストと環境負荷の両面で優位性を築くことを目指しています。