Hoth Therapeutics, Inc.HOTH

時価総額
$1392.2万
PER
バイオ医薬品の新興企業。HT-005などのカンナビノイド治療薬や前臨床・臨床候補を展開。2017年5月設立、2020年5月にZylö株120,000株取得、2021年12月にHT-005を再許諾。米国中心に展開。

事業内容

Hoth Therapeutics, Inc. は創薬と治療薬の研究開発を主とする医薬バイオ企業で、複数の医薬候補品を前臨床・臨床段階で進めています。代表的な事例として、ループス(全身性エリテマトーデス)向けのカンナビノイド治療薬HT-005に関する権利移転や提携を行っています。

同社は現時点で商業売上をほとんど有しておらず、収益は主に資金調達(株式発行やワラントの行使など)、投資の時価評価差益、提携先から得られるライセンス料や将来のマイルストーン・ロイヤリティの可能性に依存しています。将来的には患者や医療機関、保険者からの第三者払い戻しが主要な収益源になる見込みで、商業化のタイミングは提携先や規制当局の承認状況に左右されます。

事業は大きく研究開発、ライセンス・提携、共同事業への投資の三本柱に分かれます。研究開発では臨床試験や製剤開発を行い、臨床や製造は外部の受託業者に委託することが多く、提携やサブライセンスを通じて権利移転やリスク分散を図っています。さらに合弁投資や他社候補品の取得を通じて技術や製品パイプラインの拡充を目指しています。

経営方針

同社は臨床段階の候補薬を着実に前進させることで事業成長を図ることを目指しています。具体的には、HT-001(抗がん剤の副作用を抑える外用剤)やHT-KIT(マスト細胞由来のがん・アナフィラキシー治療)、HT-ALZ(アルツハイマーや神経炎症を想定した治療)といった主力候補の開発を優先し、臨床移行や規制承認に向けたマイルストーン達成を目標としています。財務面では2024年の営業損失が約820万ドル、累積赤字は2024年末で約6,040万ドルに達しており、同社は「現在の現金は少なくとも12か月分の運転資金を賄える」としつつも、追加資金調達の必要性を明確にしています。

同社は研究開発への重点投資で差別化を図ることを目指しています。製剤の投与経路で差別化を図り、外用剤や吸入剤など局所投与に強みを持つ点を前面に出しています。治療対象はがん治療の副作用、免疫系疾患、神経炎症、さらには湿疹や肥満など幅広く、これらを並行して育成することで市場機会を広げる戦略です。また、2025年1月にMed30から特許出願権を取得するために現金40万ドルと株式45万株を対価として支払うなど、知財取得によるポートフォリオ強化も具体的施策として進めています。

新市場開拓や事業拡大に関しては、資本市場を活用した段階的な資金調達を通じて開発投資を賄う計画です。ATM(随時売出し)枠は最大270万ドルで、実際に2025年1月から3月にかけてATMで約92.8万株を発行し純収入約147万ドルを得ています。さらに2025年1月7日にはワラント行使で375万株の発行により約562.5万ドルを調達しており、同社は市場を通じた資金調達とライセンス/買収による技術取得を組み合わせて事業拡大を図っています。経営陣のインセンティブ整備として株式報酬枠の積み増し(2018プランの引上げ)や経営陣へのストックオプション付与も行われています。

技術革新への取り組みとして、同社は自社の製剤技術と取得した知的財産を中心に研究を進める一方で、外部の受託機関や製造業者と連携して開発を加速させる方針です。開発を支える体制整備としては、2024年に財務報告で判明した研究開発費の会計処理に関する内部統制の弱点を是正するため、契約審査手続きの強化やレビュー体制の見直しなど具体的な是正策を実行中であり、これにより研究投資の透明性と実行力を高めることを目指しています。