Robinhood Markets, Inc.HOOD

時価総額
$1070.3億
PER
個人向け証券・投資プラットフォームの米国最大手。高機能取引プラットフォーム、24時間市場や暗号通貨取引を展開。2024年の大手暗号取引所買収合意と2024年11月の資産管理プラットフォーム買収で買収。米国・英国・EUを中心に展開。

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企業概況
107文字)
業績概況
テーマ
2項目)
ブランド
1項目)
ライバル企業
1社)
同業種の日本企業
1社)

事業内容

Robinhood Markets, Inc.は個人投資家向けにスマートフォンとデスクトップで使える低コストの取引プラットフォームを運営し、株式やETF、オプション、暗号資産の売買に加えて現金管理や投資教育コンテンツを提供しています。同社は直感的なデザインとモバイル中心の体験で若い世代を中心に利用者を拡大しています。

主要な顧客は投資を始めたばかりの個人と頻繁に取引するアクティブトレーダーで、口座開設や取引のしやすさで幅広い層を取り込んでいます。同社の収益は主に注文の行き先に支払われる対価(Payment for Order Flow:PFOF)、プレミアム会員料(Robinhood Gold)、マージンや現金残高の金利収入、暗号資産関連の手数料など複数の柱から成り立っています。

事業は大きくブローカレッジ、暗号資産、プレミアム/貸付サービスの領域に分かれています。ブローカレッジでは従来の株式・ETFに加えオプションや先物、イベント型商品などを拡充し、暗号資産では取引所の買収やウォレット連携を進める一方、アドバイザリーや機関向けのカストディサービスなどへも展開を図っています。

経営方針

同社は「小口投資家のためのナンバーワンプラットフォーム」になることを成長の最重要目標に掲げており、その達成度は取引ボリュームの市場シェア(Notional Trading Volume)や有料会員数(Robinhood Gold)や純入金(Net Deposits)などの指標で管理しています。具体的には、株式買戻し制度として上限10億ドルの自社株買い計画を公表しており、2024年10〜12月期で約534万株を平均約29.79ドルで買い戻すなど資本配分も成長戦略の一部になっています。時価総額は2024年6月末時点で約163億ドルと報告されており、同社は既存顧客の取引頻度を高めつつ、顧客一人当たりの資産シェアを広げることを目指しています。

同社はアクティブトレーダー向けの機能強化と世代別の「ウォレットシェア」拡大に重点投資しています。具体的には、オプションや先物、インデックスオプション、イベント型商品の導入を進めるほか、プロ向けデスクトッププラットフォーム「Robinhood Legend」の性能向上に注力しており、ツール類や表示遅延の改善を通じて差別化を図っています。さらに、有料サービスであるRobinhood Goldの適用範囲拡大や、顧客資産の成長に合わせた富裕層向けサービスやマルチジェネレーションの助言サービスに注力する方針で、これらは助言・資産管理分野の買収(TradePMRの買収予定は約3億ドル規模)にも反映されています。

同社は海外展開と事業領域の拡大にも積極的で、U.K.ではブローカー業務の拡充を進め、2025年にはオプション取引の提供拡大を計画しています。また、アジア太平洋地域の拠点としてシンガポールにオフィスを開設する方針を示しており、国ごとの規制や顧客属性を踏まえて段階的に市場参入を進める方針です。暗号資産分野でもBitstampの買収(約2億ドルで合意)によって機能を強化し、米国向けには22種類の暗号通貨を扱うなど暗号市場での存在感を高める戦略をとっています。

同社は技術革新を成長の源泉と位置づけ、ソフトウェアとインフラへの継続投資を重視しています。具体的には、既にカスタマーサポートに生成型の人工知能を導入しており、複雑なAIエージェントやAIを中心とした助言商品を順次投入する計画を掲げています。また、ブロックチェーンやトークン化が金融インフラを変えるとの見立てから、トークン化関連の機能や暗号対応を拡充していく方針です。これらの技術投資は、低遅延の取引環境や使いやすい設計、セキュリティ確保といった差別化につながると同社は見ています。