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HENNESSY ADVISORS INCHNNA
事業内容
HENNESSY ADVISORS INCは投資信託の運用と投資顧問業務を主に行う会社です。同社は長期の投資成果を重視する投資信託を運用し、個人投資家や機関投資家向けに資産運用サービスを提供しています。
主要な顧客は個人投資家と金融機関で、銀行や証券会社を通じた販売チャネル経由で資金を集めています。同社の収益は運用資産残高に応じた運用報酬が中心で、サブアドバイザー契約や運用資産の買収による手数料収入でも拡大を図っています。
事業面では、数量的手法を用いるファンドや裁量運用のファンド、配当や利息を重視する保守的なファンドなど複数の運用スタイルを取り扱います。また、中小型から大型株、セクター特化型の投資信託や上場投資信託をラインナップし、ブランド強化やメディア露出、他社運用資産の買収を通じて商品群を拡充しています。
経営方針
同社は成長戦略として「既存ファンドの資産維持と新規流入の拡大」と「運用関連資産の選別的買収」を二本柱に掲げています。具体的には、16本のオープンエンド投信と1本のETFを運営し、そのうち12本を自社で運用しており、オーガニックな純流入と販売チャネル拡大で資産規模を拡大することを目指しています。過去約25年間で管理関連資産の買収を12件実行し、合計で約44億ドルの純資産を統合してきた実績があり、株主還元については四半期配当(直近は1株当たり0.1375ドルを2024年11月に支払)や自社株買い(上限2,000,000株、うち1,096,368株が残枠)で安定を図っています。
重点投資分野は定量的手法を用いるファンド、アクティブ運用ファンド、インカム重視ファンドなど幅広い商品群で、これにより投資家の多様なニーズに応えています。同社は「買って保有する」哲学とファンドの長期的な運用成績を差別化の核とし、外部に委託しているサブアドバイザーの管理や、商標・戦略の独占的ライセンス(例:Cornerstone関連)を活用してブランドと運用プロセスの一貫性を維持しています。また、メディア露出強化(専業の広報会社と連携し全国メディアで頻繁に言及される施策)や主要金融機関との販路確保を通じて販売チャネルの拡大を図っています。
新市場開拓や事業拡大では、他社の運用管理権利やETFを含む運用関連資産の買収を継続的に追求しています。直近の例では2022年に約4,300万ドル規模のETF関連資産を取得し、過去数年にも数百百万ドル規模の資産統合を行ってきました。併せて、配当再投資・株式購入制度や新たなインセンティブ制度(2024年のオムニバス・プラン下で非確定株式報酬=RSUが非行使分387,694株、未認識報酬費用約286万ドル)を通じて個人投資家と従業員の関与を高め、販路・人材・資本の三方面から事業拡大を狙っています。
技術革新とリスク管理では、同社は特に情報セキュリティとバックオフィスの統制強化に注力しています。ウイルス対策やVPN、ファイアウォール、定期的なパッチ適用、フィッシング訓練や外部による侵入テスト、サイバー保険の保持など多層的な対策を実施し、四半期ごとにIT委員会で状況をレビューしていると公表しています。また、財務報告に関する内部統制は2024年9月30日時点で有効と評価しており、管理契約資産の評価(市場リターンや資金流入、資本コストを前提とする)や会計基準改定への対応も進めることで、運用プロセスと財務面の信頼性向上を目指しています。