HARTFORD INSURANCE GROUP, INC.HIG

時価総額
$378.9億
PER
中小企業向けを含む事業保険の大手。労災、物損、一般賠償、商用自動車などを提供し、SpectrumパッケージやICONによる自動見積もり(新規75%自動化)、Lloyd'sシンジケート1221の単独企業会員を展開。24年7月に最大3.3Bドルの自社株買い枠承認。米国中心に英国と欧米で展開。

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企業概況
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業績概況
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同業種の日本企業
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事業内容

HARTFORD INSURANCE GROUP, INC.は主に法人向けの損害保険と従業員福利厚生保険を中核に、投資運用や再保険関連の事業も手がける保険会社です。建物や設備の損害、労働者災害補償、一般賠償、商用自動車などの商業リスクに対する保険を中心に取り扱っています。

同社の主要な顧客は小規模事業者から中堅・大手企業まで幅広く、保険料収入が収益の大部分を占めます。販売は独立系の代理店やブローカー、ホールセール業者を通じて行い、直接販売や給与処理会社との提携経由でも顧客を獲得しています。

同社は事業を小規模事業向け、中堅・大企業向け、グローバルスペシャルティの大きく三つに分けています。小規模向けはパッケージ商品(Spectrumなど)で労災や財産、責任を一括提供し、中堅・大企業向けは個別の引受や大口の控除設定、損失連動型の商品やキャプティブ対応などで契約を設計します。グローバルスペシャルティでは海上や専門職責任、ボンド、引受再保険などを扱い、ロイズのシンジケートを通じた国際引受も行っています。

経営方針

同社は資本効率を高めつつ、運用資産(AUM)と収益基盤の拡大を目指しています。具体的にはハートフォード・ファンズのAUMは2024年末で約139.6億ドル($139,598百万)と前年より7%増加し、日平均AUMも約136.5億ドルに拡大しています。流出も改善しており、2024年の純流出は約32億ドルにとどまり、前年の約70億ドルから大幅に縮小しました。経営陣は株式市況の継続的な改善を前提にハートフォード・ファンズの純利益は2025年に増加すると見込んでおり、グループ全体では自己資本・総資本の強化や株式買戻し(取締役会は最大33億ドルまでの買戻し権限を承認)を通じて株主還元と財務健全性の両立を図っています。

投資ポートフォリオ面では、同社はより高利回りの債券等へ組替えを進めており、米国債や社債、税免除地方債、CMBSの売却で得た資金を利回りの高い投資に振り向けています。その結果、2024年の総合的な投資収入は約25.7億ドル($2,568百万)となり、固定利付け資産の再投資利回りは年率で約5.9%を記録しました。保険事業では小規模事業向けのパッケージ商品(Spectrum)や中堅・大口、さらにLloyd’sのシンジケート1221を通じたグローバル・スペシャリティなど多様な引受チャネルを持ち、規模や引受能力を生かした価格設定とリスク管理で差別化を図っています。

新市場開拓と事業拡大については、同社は既存の流通網を強化するとともに第三者運用ビジネスの拡大を目指しています。ハートフォード・ファンズでは固定収入系ETFのAUMが前年比で大きく伸び(例:ETFの固定所得AUMは約52%増の$2,672百万)、ミューチュアルファンドとETF合計で約128.1億ドルの資産を運用しています。従業員給付(Employee Benefits)分野は完全保険の保険料増を見込み、長期的な純利益マージンを2025年に約6〜7%程度にする見通しを示しています。さらに、未払資金としての限定された出資コミットメント(限定パートナー向けに約21億ドル)など、戦略的投資余力も確保しています。

技術革新には積極的に投資しており、引受・販売・顧客対応の自動化とデータ分析を差別化要因と位置づけています。具体的には、Spectrumパッケージや労災等の新規見積りを自動化するQUOTEツール(ICON)で約75%超を人手なしで見積れる体制を整備し、給付管理や請求の統合プラットフォーム(Ability Advantage)や社員向けの加入支援ツール(My Tomorrow)で販売効率と顧客接点を強化しています。一方でモデルや評価に対するリスク管理も重視しており、取締役会の下に設置したERCC(Enterprise Risk and Capital Committee)で資本・市場・引受リスクを継続的に監督しています。