HOME DEPOT, INC.HD

時価総額
$3415.8億
PER
住宅リフォーム・建材小売の米国最大手。デジタルと実店舗を連携した相互接続型ショッピング体験やPro向けエコシステム、施工サービスを展開。2024年6月18日にSRSを買収、2024年度に資本支出約35億ドルと配当89億ドルを実施。米国中心に展開。

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企業概況
189文字)
業績概況
142文字)
テーマ
3項目)
ブランド
1項目)
ライバル企業
4社)
同業種の日本企業
5社)

事業内容

HOME DEPOT, INC.は米国を中心に展開する大手ホームセンターで、住宅の改装や修理に必要な建材、工具、設備、住宅用品、園芸資材など幅広い商品を販売しています。同社は大型の実店舗ネットワークとオンラインを連携させ、購入から受け取り、配送、設置までの一貫した買物体験を目指しています。

主要な顧客は一般消費者(自分で作業する人と業者に依頼する人)とプロの事業者(リフォーム業者、工務店、設備業者など)の二つに分かれ、収益は主に商品販売から生まれます。加えて設置サービスや配送、プロ向けの大量販売や専用サポートといった付帯サービスでも収入を得ており、2024年のSRS買収でプロ市場での売上拡大に注力しています。

事業は実店舗とオンラインを軸とした小売事業が中心で、流通施設や店舗在庫を使った多様な受け渡し・配送オプションを整えています。さらに自社ブランド商品や設置サービス、工具のレンタル、プロ向けの専用支援や信用・価格制度といった製品ラインやサービスで差別化を図っています。

経営方針

同社は「顧客体験の最良化」「低コスト提供」「投下資本の効率化」を3つの成長目標に掲げ、これらを通じて市場平均以上の成長を目指しています。実際に2024会計年度は事業再投資として約35億ドルの設備投資を行い、2025会計年度は売上高の約2.5%に相当するおよそ40億ドルの投資を計画しています。株主還元も重視しており、2024会計年度には現金配当として89億ドルを支払い、自己株買いも実施しましたが、買戻しは2024年3月にSRS買収に備えて一時停止しています。営業効率の指標であるROICは2024会計年度で約31.3%と高水準を維持しています。

重点投資分野は店舗網、サプライチェーン、プロ向け(専門職)向けの能力強化に集中しています。差別化策としては供給業者との独占的な提携や自社ブランド商品の開発により、競合との差別化と高い粗利を確保することを目指しています。固定費削減も並行して行っており、2024会計年度には固定費構造の見直しで約5億ドルの削減を実現しました。同社は専門職顧客に対して専用の営業支援、与信や大口取引対応、ジョブロットでの供給など複合的なサービスを提供することで、一般消費者とは異なる高付加価値の関係を築くことを狙っています。

事業拡大の具体策として、2024年6月18日にSRS Distributionを総額約180.28億ドルで買収し(現金約177.07億ドル含む)、買収後は屋根材や造園、プールなどの専門流通分野の拡大を通じてプロ市場での地位を強化しています。買収により計上されたのれんは約110.06億ドル、無形資産は約57.8億ドル(顧客関係が約54億ドル)で、買収後の売上は組み入れ分で既に約64億ドルに達しています。資金調達はコマーシャルペーパー、長期借入、手元資金の組合せで行い、同社は新規出店や配送施設の拡充などリアルな店舗・物流ネットワークの拡大を継続していく計画です。

技術革新への取り組みでは、デジタルと店舗をつなぐ「つながった買物体験」の構築を最優先にしています。具体的には在庫可視化や迅速な受取・配送オプション強化、オンラインでの見積やプロ向け発注フローの改善などに投資しており、2024会計年度の投資の多くがこれらのIT・システム関連に充てられました。人工知能を含む新技術の導入でパーソナライズや業務効率化を進める一方、投資の実行と統合が計画通りに進むかは同社にとって重要なリスク要因でもあり、慎重な推進を目指しています。