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HASBRO, INC.HAS
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事業内容
Hasbro, Inc.は世界的な玩具・ゲーム・エンターテインメント企業で、従来型の玩具やテーブルゲームに加え、デジタルゲームや関連コンテンツを組み合わせた体験を展開しています。MAGIC: THE GATHERING、DUNGEONS & DRAGONS、MONOPOLYなどの強力なフランチャイズを基軸にブランドを育てています。
同社は大手小売やオンラインチャネル、ライセンシーやパートナー経由で商品を販売し、売上は製品販売収入に加えてライセンス料、デジタルゲーム収益、直販収入などで構成されています。製造や一部のコンテンツ開発は外部パートナーに依存しており、サプライチェーンや提携先の動向が業績に影響します。
事業は「ゲーム」「IP(ライセンス&エンターテインメント)」「トイ(玩具)」の三本柱で整理しており、ゲーム部門はトレーディングカードやデジタルゲームを強みとします。IP部門はブランドの外部ライセンスや映像・体験展開を拡大し、玩具部門はデザインや新製品開発、デザイナーへのロイヤリティ契約を通じて商品ラインを強化しています。
経営方針
同社は2025年に刷新した戦略「Playing to Win」を掲げ、プレイ(おもちゃ・ゲーム)を軸に消費者接点を拡大して収益性を高めることを目指しています。具体的には「利益を生むフランチャイズの強化」「13歳以上の顧客層への拡大(Aging Up)」「あらゆる層が遊べる商品展開」「デジタルと直販の強化」「パートナーと共に規模を拡大する」という五つの柱で成長を図る方針です。財務面では、同社は2024年末時点で現金・現金同等物約6.95億ドル、長期債務約34.02億ドルを保有しており(2024年6月28日時点の市場価値は約81億ドル)、この資金基盤を踏まえて収益と利益率の改善を図っています。
同社は重点的にデジタルゲーム事業とライセンス事業に投資することで差別化を図っています。とくにウィザーズ・オブ・ザ・コースト(Magic: The Gathering、Dungeons & Dragons等)を中核とするゲーム群を「高収益・高成長の投資センター」と位置づけ、AAA級タイトルや継続収益を重視したサービス型ゲームへの投資を継続しています。同社はブランド資産の広さとライセンス展開力を強みとし、外部パートナーとの共同投資やブランドの外部活用(外部ライセンシーによる商品化や体験提供)で資本効率よく市場浸透を図る具体策をとっています。経営体制面ではデジタルゲーム強化のためにジョン・ハイト氏をウィザーズ責任者に据えるなど人材配置も進めています。
新市場の開拓と事業拡大では、同社は年齢層の「エイジングアップ」と地域展開の両面で成長を狙っています。13歳以上の層を取り込むためにコレクティブル商品やファン向け体験、ロケーションベースの事業拡大を進め、ダイレクト・トゥ・コンシューマー(直販)チャネルの拡充で消費者データの獲得と高いマージン獲得を目指しています。また、在庫管理やサプライチェーンの簡素化といった「オペレーショナル・エクセレンス」施策(2022年から実施)でコスト削減を図り、必要に応じて市場からの資金調達や社債発行(2024年は2034年債の発行で約4.986億ドルの調達)も活用して成長投資と資本配分を行っています。
技術革新への取り組みでは、同社は製品開発とコンテンツ配信の両面でデジタル技術と人工知能の活用を進めています。商品設計やブランド開発においてAIを採用して開発効率を高めるとともに、デジタルゲームや補助アプリで物理製品との連携を図り、消費者のエンゲージメントを深める計画です。さらに、データ分析基盤や顧客インサイトの強化に投資して小売り・直販両面の意思決定を高度化し、ゲーム開発では社内外のスタジオと連携してAAAやサービス型タイトルの商用化を加速させることで、技術とコンテンツを武器に差別化を図っています。