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事業内容
CHART INDUSTRIES INCは、気体や液体の取り扱いに関するプロセス技術と装置の設計・エンジニアリング・製造を行う企業です。液化天然ガス(LNG)や水素、二酸化炭素回収、産業ガスの貯蔵・輸送・供給に関わる機器やシステムを手掛け、導入から運用、デジタル監視までライフサイクル全体をフォローしています。
同社の主要顧客はガス生産者や流通業者、エンドユーザーを中心に、エネルギー、産業、発電、空調、製油所など幅広い分野にわたります。収益は製品販売に加え、部品・修理・メンテナンス・長期サービス契約や機器リースといったアフターマーケット収入が重要で、修理・サービス・リース部門は2024年の連結売上の約33%を占めています(上位10社での売上比率は直近数年で約26〜38%の水準)。
事業は大きく、(1)修理・サービス・リースと(2)スペシャリティ製品、さらに空調・発電・製油向けの熱交換装置などに分かれます。修理・サービス部門は世界各地に50以上のサービス拠点を持ち、現場据付や改修、予防保守、24時間サポート、デジタル監視プラットフォーム「Uptime」などで稼働率向上を支援します。スペシャリティ製品は水素・ヘリウム・LNG・水処理・カーボンキャプチャー向けの高付加価値機器や圧縮機、熱交換器、液化プロセス技術などを扱い、EPC(設計・調達・建設)企業向けの統合システムも提供しています。
経営方針
同社は「Nexus of Clean(クリーン領域の接点)」での成長を掲げ、LNG、液体および気体水素、バイオガス、二酸化炭素回収などのクリーンエネルギー関連市場で収益拡大を目指しています。2024年の連結売上高は約41.6億ドル、同年末の残工事(バックログ)は約48.5億ドルであり、同社はこれを基に短中期での売上認識を進め、残件の約59%を次の12か月で収益化すると見込んでいます。成長は有機的な受注拡大に加え、補完的なM&Aを通じた技術・地理的拡大を組み合わせる方針で、目標達成に向け資本配分ではネットレバレッジが2.5倍以下になるまでは大規模な現金買収を控える金融ポリシーを採っています。
重点投資分野としては、アフターサービス・リース事業と特殊製品事業が挙げられます。修理・サービス・リース部門は2024年の連結売上の約33%を占め、世界50か所超のサービス拠点と長期契約の拡充で稼働率と継続収入を強化しています。特殊製品部門は同年で約26.8%を占め、水素やヘリウム、CCUS、水処理など競合が限られる高付加価値分野に注力して差別化を図っています。独自の液化プロセス(IPSMR®など)やUptime™による稼働監視、Ventsim™による通気解析といった製品・サービスの組み合わせで、単一製品ではなく「設計から運用まで」のソリューションを供給することを強みにしています。
新市場開拓や事業拡大では、海外展開と買収によるポートフォリオ強化を継続しています。2024年の売上の60.1%は海外事業が占めており、中国元、ユーロ、英ポンド、南アランド、インドルピー、カナダドルなど複数通貨で事業を行うことでグローバル需要に対応しつつ、為替ヘッジ(フォワード契約等)でボラティリティを抑えています。近年のHowden買収のように、設備やプロセス技術を補完する企業買収で市場アクセスを広げ、LNGや水素、CCUSなど成長分野での受注基盤を拡大する計画です。一方で資本政策では、株主還元や自社株買い(取締役会は2.5億ドルまで承認)も検討していますが、実行は財務健全性を優先する方針です。
技術革新への取り組みでは、エンジニアリングと製品開発を中核に据え、顧客の仕様に応じた高度な設計・製造能力を強化しています。研究開発費の一部は顧客向けプロジェクトに計上することがあり、これにより開発負担を軽減しつつ市場適合性を高めています。2024年には最高技術責任者(CTO)を新たに据え、デジタル監視プラットフォームや高効率熱交換器、圧縮機などの技術を進化させることで、運用コスト低減や設備稼働率向上を図り、長期的な競争優位を構築しようとしています。