Green Thumb Industries Inc.GTBIF

時価総額
$12.4億
PER
大麻消費財の製造・小売の大手。直営小売と自社生産による花・濃縮物・トピカル・エディブルの数千SKUを展開。24年11月に関連先へ約1828万ドル出資で非支配持分取得。米国14州で直営小売中心に展開、従業員約4800人で運営。

事業内容

Green Thumb Industries Inc.は、米国で医療用・成人向けの大麻を栽培・加工・製造し、自社ブランドの消費者向けパッケージ製品として販売する企業です。同社は自社所有の生産施設で完成品を作り、ブランドと品質基準を統一した標準作業手順で一貫した消費者体験を維持しています。

主要な顧客は各州でライセンスを受けた大麻販売店で、同社はこれらの小売店向け出荷と自社運営のRISEなどの店舗での直販を通じて収益を得ています。原料の大部分(包装資材を除く)は自社で栽培・加工して内製化しており、特定の顧客に依存しない分散した顧客基盤を持っています。

事業は主に栽培・加工・製造の消費者向けパッケージ品事業、直営小売(RISEを中核とする店舗)および知的財産の管理・ライセンス供与のセグメントで構成されています。製品ラインは花(フラワー)、濃縮物、外用剤、エディブル(食用)など幅広く、&Shine、Beboe、Doctor Solomon’s、incredibles、RYTHMなどのブランドを自社チャネルで流通させています。

経営方針

同社は「持続可能で利益を生む成長」を目指しています。具体的には、自社ブランドの消費者向け包装製品(&Shine、Beboe、Dogwalkers、Doctor Solomon’s、Good Green、incredibles、RYTHM)と直営小売チェーン(RISE)を両輪にして売上と利益率の向上を図っています。資本政策でも自社株買いを積極的に実行しており、2023年~2024年のプログラムで合計6,568,125株を73,304千米ドルで取得、2024年9月13日に改めて10,573,860株・上限5,000万米ドルの新プログラムを承認し、同年末までに1,247,000株(平均買付価格7.72ドル)を取得して残余権限は約40,400千米ドルとなっています。

重点投資分野は自社製造と小売の垂直統合、ブランド構築にあります。原料は主に内製で賄い、完成品は自社の生産施設で製造して品質基準を統一するための標準作業手順を全施設に導入しており、数千SKUに及ぶ在庫を「種子から販売まで」追跡するシステムで管理しています。これにより製品品質や流通の信頼性で差別化を図っており、第三者試験を義務付けることで安全性とブランド信頼を高めています。

新市場開拓と事業拡大では、州別のライセンス取得を通じた地理的拡大を続けており、2024年末時点で14の米国市場に展開、従業員は約4,800人で年間に数百万の患者・顧客にサービスを提供しています。小売では従来の店舗販売に加え、法規制が許す地域でのEC、店舗受取、宅配の強化を進め、また技術・設備面では2024年11月にAgrifyへの非支配的出資を実行(現金と自社株で総額18,280千米ドル相当)し、将来的な連携や自動化導入で生産効率を高める計画です。

技術革新については、情報セキュリティと生産のデジタル化に注力しています。サイバー対策は取締役会と監査委員会が定期的に監督し、最高情報技術責任者(Senior Vice President - Technology)が実務を統括、2024年は事業に重大影響を及ぼすサイバー事件は確認されていません。生産面では標準化された製造プロセスと在庫追跡、さらに先述のAgrify投資を通じた栽培・加工の自動化やリモート監視導入を想定しており、品質維持とコスト最適化による競争力強化を目指しています。