GULFPORT ENERGY CORPGPOR

時価総額
$35.7億
PER
天然ガス・石油の探鉱・生産の大手。天然ガス、石油、NGLのマーケティングと長期の集積・処理・輸送契約を展開。2021年5月のチャプター11脱却、55,000株の優先株発行と2025年末までの最大10億ドルの自社株買い枠を保有。米国(アパラチア・ミッドコン中心)を中心に展開。

事業内容

Gulfport Energy Corporationは独立系の石油・天然ガス会社で、主に天然ガス、原油およびNGL(液状の天然ガス成分)の探査・開発・生産とその販売を行っています。加えて、100%子会社を通じてカナダの油砂に関する出資(Grizzlyの24.5%)を保有していますが、同社の関係事業は2015年以降操業を停止しており、2024年末時点で実証埋蔵量はありません。

同社は生産した資源をスポット取引や期間契約で販売し、マーケティング部門が取引交渉や集荷、輸送の手配などを担うことで収益を上げています。価格変動対策としてヘッジ取引も活用し、主要顧客ではVitolが2024年の販売の約15%を占めるなど特定の大口顧客が収益に影響します。

事業の中身は上流の掘削・生産に加え、マーケティングとミッドストリームに関する契約管理が重要です。具体的には商品売買の契約交渉、集荷・運搬・処理・輸送容量の確保や契約履行の管理を行い、必要に応じて売買契約でリスクを軽減しています。

経営方針

同社は持続的なフリーキャッシュフローの創出と株主還元を成長の中心に据えています。2024年は日量1,054 MMcfeの生産と6億5,000万ドルの営業キャッシュフローを報告し、年末時点の流動性は約8.997億ドルでした。長期借入の満期延長(主要社債を2029年へ)や与信枠の拡充(借入枠を合計10億ドル、借入ベースは11億ドルを再確認)を通じて財務の余裕を確保し、株式の自社株買いプログラムを最大10億ドルまで拡大している点からも、同社は財務の安定を保ちつつ資本配分でリターンを高めることを目指しています。

重点投資は米国内の主力鉱区、すなわちアパラチア(Utica、Marcellus)とアナダルコ(SCOOPのWoodfordおよびSpringer)に集中しています。開発案件は投資収益率が高いものへ資本を振り向ける方針で、2024年には営業開始した掘削井が19本(グロス)に上りました。さらに操業効率を高めるためにサイクルタイム短縮や操業コスト低減を進め、米国内の上流資産の最適化と長期の処理・輸送契約による販売安定化で競争力を高めることを目指しています。

新規展開や事業拡大は慎重かつ選択的に進める計画です。既存の資産深度を高めるための追加リースや増産開発を優先し、強固な財務基盤を活かして機会があれば買収や資産取得にも対応できる体制を維持しています。一方で、将来的に株式発行や転換証券による資金調達の可能性も開示しており、これは希薄化リスクを伴うため、資本政策は配当よりも自社株買いや借入条件の最適化を通じた株主還元に重点を置いていることが分かります。

技術面では掘削・完成(井戸の仕上げ)技術の導入やデジタル化による運用最適化に注力しています。具体的にはサイクル短縮やコスト削減を狙った先端的な掘削・完了手法の適用、そして温室効果ガス管理の証明であるMIQ認証をアパラチア資産で維持するなど、環境配慮も踏まえた技術投資を行っています。加えて業務のデジタル依存度が高まる中で、情報セキュリティ(多要素認証、エンドポイント監視、脅威可視化ツールなど)にも継続的に投資し、運用リスクの低減と信頼性向上を図る取り組みを進めています。