GENUINE PARTS COGPC

時価総額
$173.5億
PER
自動車・産業部品流通の最大手。広範な在庫と供給網、デジタル販路やカタログ・研修サービスを展開。2024年に複数事業を約12億ドルで買収。北米・欧州・オーストラリア中心に10,700超拠点、従業員63,000人超で展開。

ランドスケープPowered by 会社四季報オンライン

企業概況
109文字)
業績概況
テーマ
1項目)
ブランド
1項目)
ライバル企業
3社)
同業種の日本企業
2社)

事業内容

GENUINE PARTS COは、自動車用と産業用の交換部品や関連サービスを世界規模で流通させる企業です。同社は部品の仕入れ・保管・配送・販売に強みを持ち、実店舗とオンラインの両チャネルを通じてパーツやアクセサリー、在庫管理や技術サポートといったソリューションを提供しています。

同社の主な顧客は整備工場やディーラー、フリート事業者などの業者と、店頭やウェブで購入する個人顧客です。売上の大部分は製品流通によるもので、2024年の売上は約235億ドル、地域別では北米が中心(約74%)で欧州・オーストラレーシアが続きます。加えて、カタログ作成や研修、ソフトウェアサポートなどの付帯サービスからも収益を得ています。

同社は事業を自動車部門と産業部門の二つに分けて運営しており、自動車部門が全体の約63%、産業部門が約37%を占めます。自動車部門は整備業者向けの大量供給と個人向けの店舗・デジタル販売を両立し、幅広い車種に対応する部品と整備支援を提供します。産業部門は製造ラインや物流設備の補修部品、制御・自動化関連の部材を扱い、近年のサプライチェーン変化や自動化需要を取り込み成長を図っています。

経営方針

同社は持続的な収益成長と財務の健全化を目指しています。2024年の売上は235億ドル、当期純利益は9.04億ドルでしたが、同社は2025年に買収した事業の効果で粗利率の改善を見込み、グローバルな再編による費用削減で営業レバレッジを高める計画です。財務面ではネット有利子負債の削減を優先課題とし、配当の増額と自社株買いによる株主還元を継続する方針で、2024年には約110万株、総額1.5億ドルを買い戻し、約750万株分の買戻し余力を残しています。

同社は供給網と技術への重点投資で他社と差別化を図っています。2024年には供給網や施設、システムの改善のために資本支出を約5.67億ドル実行し、在庫は買収や品ぞろえ強化により8.38億ドル(17.9%増)と大幅に増加しました。これにより顧客が求める部品を確実に揃えることを優先し、買収先の調達メリットや価格政策で粗利改善を狙っています。また、信用面では長期債務格付けがS&PでBBB、ムーディーズでBaa1と投資適格を維持しており、資金調達の選択肢を確保しています。

新市場開拓と事業拡大は「ボルトオン」型の買収を軸に進められています。2024年はおよそ11〜12億ドル規模の買収を行い、そのうち自動車向けの買収が約5億ドルの売上をもたらすなど、米国内の流通ネットワーク強化を中心に地理的な足場を広げました。同社は北米、欧州、オーストラレーシアで1万超の拠点を持ち、既存拠点の最適化と新たな流通・配送センター整備で市場浸透を図る計画です。

技術革新は顧客体験の向上と業務効率化の両面で重点施策になっています。デジタルプラットフォームの刷新やデータ駆動の販売・在庫管理を進めるための投資が増えた結果、2024年は減価償却費や利息負担の増加が見られましたが、同社はこれを中長期的な競争力強化への先行投資と位置づけています。実際、2024年の営業キャッシュフローは約12.5億ドルである一方、投資活動で約15.1億ドルを費やしており、今後も技術と供給網への投資を継続して効率化と顧客満足の両立を目指しています。