Golden Matrix Group, Inc.GMGI

時価総額
$1.2億
PER
オンラインスポーツベッティングとオンラインカジノ事業の大手。iOS・Android中心のオムニチャネルや約700の直営・フランチャイズ店舗を展開。2023年1月の同業買収、2024年7月のマルタ企業買収。欧州、南米、アフリカの15市場超で展開。

事業内容

Golden Matrix Group, Inc.は、インターネット上のスポーツベッティングやオンラインカジノを中心に、各国でゲーム運営を行う企業です。加えて、他のオンライン運営者向けのクラウド型業務用ソフトウェア(iGaming向けプラットフォーム)や、英国での賞金参加型コンペティション、オーストラリアでの販促企画なども展開しています。

同社の主要顧客は個人のプレイヤーと現地の運営パートナー(直営・フランチャイズ店舗)で、収益はプレイヤーの賭け金やカジノ売上からの手数料、店舗の手数料・加盟料、そしてソフトやライセンスの提供によるB2B収入で成り立っています。事業は欧州を中心にアフリカや中南米など複数地域に広がっており、地域ごとの需要が収益基盤を支えています。

事業セグメントは大きく、消費者向けのオンラインと店頭のベット・カジノ事業、他社向けのプラットフォーム提供とフランチャイズモデル、そして賞品やプロモーションを含むマーケティング事業に分かれます。オンラインはスマホ・ウェブ・SMSなど多様な接続手段に対応し、店頭は約700店舗(直営約250、フランチャイズ約450)を通じて地域密着でサービスを提供しています。

経営方針

同社は成長戦略として事業規模の拡大と財務基盤の強化を両立させることを目指しています。直近の通期売上は2024年に1億5,111万ドルと前年比63%増を達成しましたが、GMGI帰属の当期純損失は約148万ドルとなっており、運転資金や買収後の支払いに対応する流動性の確保が課題です。そのため同社は営業キャッシュフローに加え、株式や債務発行で資金調達を行う方針で、証券会社を通じ最大2,000万ドル分の株式売却枠を設定しているほか、取締役会は最大500万ドルの自社株買いプログラムを承認しています。

同社は重点的にオンライン・店舗の両輪で収益基盤を強化する投資を行っています。オンラインのスポーツブックやカジノ運営に加え、自社のプラットフォームを他社にライセンス提供するSaaS事業を展開しており、15超の法域で約1,200名の従業員と約700店(うち約250店は自社保有、約450店はフランチャイズ)を運営しています。ローカルライセンシーや規制当局と連携して非ライセンス事業者の排除を図ることで市場保護を進め、現地オペレーターの手数料抑制と収益の安定化を図る差別化策を打ち出しています。また、優秀人材の確保のために株式報酬制度や幹部雇用契約の延長(CEO・CFOの契約を2027年8月まで延長)なども実施しています。

事業拡大では買収と地域展開が中心です。2024年4月にMeridianBetグループの買収を完了し(リバースマージャー扱い)、同年はClassicsやMedia Games Maltaなどの買収も行っています。Meridian関連の未払対価として約1,987万ドルの現金支払(うち一部は2025年4月・10月支払予定)と1,500万ドルの約束手形が残るため、その資金調達が今後の重要課題です。少数株主持分取得の対価として2025年1月に1,071,101株および814,768株の制限付株式を発行するなど、株式を用いた買収も行っており、メキシコ向けB2Cサイト「Mexplay」の立ち上げなど中南米・アフリカ・欧州での拡大を継続しています。

技術革新ではプラットフォーム開発とデータ活用に重点を置いています。同社は各市場で統一したオッズ設定とリスク管理を行う独自の基盤を持ち、利用環境が限られる地域向けにSMSやUSSDなどのオムニチャネル接続も提供しています。現在は機械学習をスポーツベッティングに組み込み、個々の利用者に合わせた提案や試合進行に応じた動的なオッズ更新を進めることで人的作業の削減とユーザー体験の向上を図っており、商標(MeridianBet等)やドメインで知的財産の保護も進めています。