General Motors CoGM

時価総額
$654.2億
PER
自動車の製造・販売の米国大手。EVやソフトウェア連携サービス、バッテリー原料のオフテイク契約を展開。研究開発費は2024年に92億ドル、2023年11月に100億ドルのASR実施、2027年に中国JV主要契約満了予定。北米・中国を中心に展開。

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企業概況
196文字)
業績概況
144文字)
テーマ
3項目)
ブランド
4項目)
ライバル企業
4社)
同業種の日本企業
4社)

事業内容

General Motors Coは自動車の設計・製造・販売を主とする世界的大手メーカーです。同社は乗用車やクロスオーバー、大型のSUVやピックアップトラックに加えて、電気自動車(EV)や商用車、部品・アフターサービスも扱っています。

主要な顧客は個人の消費者に加え、レンタカー会社や企業のフリート、政府機関などで、販売は主に独立した正規ディーラー網を通じて行っています。同社は車両販売だけでなく、融資・リースを担う金融部門や部品・整備サービスからも収益を得ており、これらが収益構造の重要な柱になっています。

事業面では、自動車本体事業に加えて金融サービスとソフトウェア・サービスが主要なセグメントです。同社は高利益の大型トラックやSUVで当面の収益を確保しつつ、電池や原材料への投資と供給契約、車載ソフトの統合や自動運転開発を進めることで電動化・デジタル化への転換を図っています。

経営方針

同社は「零事故・零排出・零渋滞」の長期ビジョンの下で成長を目指しています。具体的には、資本配分の優先順位として、投下資本に対する調整後リターン(ROIC-adjusted)を平均で20%以上にすること、投資適格の財務基盤を維持するために自動車事業の平均現金残高を180億ドル程度に保つことを掲げ、その上で余剰資金を株主に還元するとしています。業績見通しとしては2025年の1株当たり利益(希薄化後)を11.00〜12.00ドル、帰属する純利益を112〜125億ドル、EBIT調整後を137〜157億ドルと示しており、資本効率と現金管理を重視した成長路線を追求しています。

重点投資分野は電気自動車(EV)、ハイブリッド、個人向け自動運転(AV)技術、ソフトウエアを中核としたサービスです。同時に高収益の内燃機関(ICE)車、特にフルサイズのピックアップや大型SUVを強化して短中期の利益を確保し、そのキャッシュをEVやソフトウエア投資に回す戦略をとっています。研究開発費は2024年に約92億ドルを計上しており、差別化の柱としてソフトウエア統合やグローバルな部品共通化(今後も数個の車台設計で大部分のICE販売を支える計画)を進めています。さらに、電池原材料の確保を目的にサプライヤーへの投資や長期購入契約(オフテイク)を締結しており、リチウム・ニッケル・コバルトなどの確保に注力していますが、これらは短期的に在庫やキャッシュを膨らませる可能性がある点も明示しています。

新市場開拓と事業拡大では、国や事業ごとの最適化を図っています。中国では市場競争激化に伴う採算悪化を踏まえ、合弁事業の再構築や工場閉鎖、ポートフォリオの最適化を実行しており、2024年には中国の合弁先に関する持分評価損や再編費用として数十億ドル規模の一時損失(例:約24億ドルの評価損と20億ドルの再編関連の持分損失の計上)が発生しました。同社は中国市場での存在は維持しつつ採算優先に転換する方針で、並行して北米中心のEVサプライチェーン構築や電池製造能力の拡大、Cruiseを通じた自動運転商用化など、新規事業の実用化・収益化にも取り組んでいます。

技術革新への取り組みはソフトウエア主導にシフトしており、Mountain Viewを拠点にソフトウエア&サービス組織を一元化して車両体験の一体化を進めています。バッテリー技術や生産のスケールメリットでEVの採算性を高めるとともに、サイバーセキュリティや知的財産の管理にも注力しており、取締役会レベルでの監督体制や専任責任者(CISO)による定期的なレビューを実施しています。なお、EVマージンは改善を見込む一方で、在庫評価の調整などで短期的に損失を計上する可能性もあるため、同社はコスト削減と規模拡大を並行して進め、技術面と財務面の両輪で競争力を高めることを目指しています。