GREYSTONE LOGISTICS, INC.GLGI

時価総額
$1718.7万
PER
倉庫・物流サービスとプラスチックパレット製造の有力企業。倉庫保管・出荷代行とプラスチックパレットの製造販売を展開。トップライン・キャピタルが2024年5月31日現在で約280万株保有、役員関連の貸付や優先株による支配権集中あり。米国中心にカナダ・メキシコにも展開。

事業内容

GREYSTONE LOGISTICS, INC.は、プラスチック製パレットや保護包装材などの製造・販売を中核に据え、倉庫での保管と顧客への出荷を一体で行う企業です。同社は自社の製造設備と倉庫を運用し、在庫を保管して卸や最終顧客へ商品を供給しています。

売上は主に卸や流通業者、最終顧客への販売で成り立っており、数社の大口顧客が売上のかなりの割合を占める傾向があります。同社は長期契約を多く持たないため、顧客や供給関係の変化が業績に影響を与えやすい構造です。

事業は大きく製造部門と倉庫・流通部門に分かれており、製造ではパレットや緩衝材などのプラスチック製品を生産しています。同社は自社工場の賃貸・運用を通じて製造と倉庫サービスを組み合わせ、北米向けの出荷や関連会社との取引を通じて収益を上げています。

経営方針

同社は売上拡大と事業基盤の強化を成長の柱としています。直近の通期売上高は約6178万ドル、当期純利益は約502万ドル、総資産は約5226万ドルと、既に一定の収益力を確保していることを基に、営業規模の拡大や選択的な買収で成長を図る方針です。一方で長期負債(期末時点で約1,108万ドル、短期部部分約236万ドル)やIBCローンの契約により配当が制限されているため、手元現金(約580万ドル)や設備投資の優先順位を見極めながら、内部留保で成長資金を賄うことを目指しています。

重点投資分野としては保管・製造設備の拡充と供給網の安定化を掲げています。同社は倉庫での製品保管から出荷までを行うため、倉庫容量不足や設備トラブルが売上や利益に直結するリスクを認識しており、在庫(約387万ドル)や工場・建物への投資、リースによる生産設備の確保を進めています。加えて、三次供給者や関連会社との取引(例:TriEndaとの売上は2024年に約27.9万ドル)を活用し、プラスチックパレット等での垂直的な関係を通じた差別化を図っています。

新市場開拓では販売チャネルの多様化と地理的拡大を重視しています。同社は現状でディストリビュータやエンドユーザー向けの販売が中心で、売上の一部が特定の顧客群(開示では主要顧客が「3〜4社」程度に集中する旨の記載)に依存しているため、カナダやメキシコ等の地域展開やディストリビュータ網の拡充によって顧客分散と成長を目指しています。公開会社としての開示・統治負担や流動株の状況(発行済株式数は約2,827万株、株式はOTCQBで取引)も踏まえ、資本政策と市場流動性のバランスを取りながら事業拡大を進める方針です。

技術面では情報セキュリティと運用の効率化に重点を置いています。同社は専任の最高情報責任者を置かず、最高財務責任者が第三者の運用サービス事業者と定期的に連絡を取る体制で、可能な箇所に多要素認証を導入し、次世代エンドポイント防御、特権アクセス管理、メールフィルタリング等の自動化ツールを使ってWindowsベースの社内システムを監視・防御しています。オンライン販売は行っていないものの、内部統制強化(米国の上場会社規制やサーベンス・オクスレー法対応)とサイバー対策を両立させ、業務の継続性と顧客情報保護を確保することを目指しています。