SPDR GOLD TRUSTGLD

時価総額
$1304.8億
PER
金現物に連動する上場投資信託の世界最大手。金地金を裏付けとする上場投資信託(ETF)を展開。2004年11月設立・同月上場、時価総額約590億ドル(2024年3月31日)、2024年9月期に820バスケット(82,000,000株)を償還、年次報告は大手監査法人が監査。米国上場を中心に世界展開。

事業内容

SPDR GOLD TRUSTは金価格に連動することを目的とした上場投資信託で、投資家が現物の金に間接的に投資できる金融商品を運用しています。 同社は金地金を裏付けとする株式(シェア)を発行し、取引所での売買と日々の純資産価値の公表を通じて投資家に価格連動の仕組みを提供しています。

主要な顧客は機関投資家や個人投資家、証券会社などで、顧客は市場でシェアを売買することで金へのエクスポージャーを得ています。 同社の収益は保管手数料や運用管理費などの信託報酬で成り立ち、シェアの発行・償還(バスケットの作成・解約)を通じて資産残高を調整しています。

事業は単一の信託商品を中核に展開し、スポンサー、受託者、保管銀行、販売代理や認定参加者といった外部のサービス提供者と連携して運営しています。 同社は保管銀行に現物金を保管し、受託者が純資産価値を算出、認定参加者が現物金と引き換えにシェアを作成・償還する仕組みで、投資家は証券取引所で手軽に売買できます。

経営方針

同社は投資家に対して「物理的な金の価格に連動する簡便で低コストな投資手段」を提供することを成長戦略の中心に据えています。具体的には上場維持と流動性確保を通じて機関投資家や個人の需要を取り込み、信頼性の高い受託構造を武器にマーケットシェアを維持・拡大することを目指しています。2024年3月31日時点での時価総額は約590億ドル、発行済株式数は約3.056億株であり、2024会計年度の純資産価値(NAV)は1株あたり173.51ドルから243.01ドルへと上昇、同年度のNAVベース総リターンは約40.06%と高いパフォーマンスを示しました。

重点投資分野と差別化戦略として、同社は割当保管された実物の金を中核資産とし、HSBCやJPMorganなどの主要カストディアンを利用することで安全性と監査可能性を担保しています。トラッキングの精度と流動性は、認定参加者(Authorized Participants)による創設・償還メカニズムとNYSE Arcaや香港上場といった取引所上場によって支えられており、運用コストは総費用率0.40%、2024会計年度のスポンサー手数料合計は約2億4,209万ドルと明示されている点が投資家にとっての分かりやすい差別化要素です。

新市場開拓や事業拡大については、既存の米国市場に加えアジアなど国際マーケットでのリーチ拡大を重視しています。実際に香港取引所への上場や複数の大手証券会社を認定参加者として確保することで、地域別の需要に対応する販路を強化しており、2024会計年度には合計8,200万株(820バスケット)が償還されるなど市場参加者の取引活性化が見られます。マーケティング面ではState Street(SSGA)をマーケティングエージェントとして活用し、投資教育や流動性供給のための市場形成を継続的に推進しています。

技術革新への取り組みは業務効率と信頼性の向上が中心です。基準価格はLBMAゴールド・プライスを基に日次で算出し、帳簿はDTCによるブックエントリーで管理することで決済と保管の透明性を確保しています。加えて、スポンサーであるWorld Gold Councilの下でNISTサイバーセキュリティフレームワークに基づく情報管理体制を整備し、外部監査(2024年度の監査費用は約51万7,700ドル)やインラインXBRL等による開示のデジタル化を通じて、投資家が求める可視性・安全性の向上に取り組んでいます。