GLAUKOS CorpGKOS

時価総額
$62.2億
PER
眼科向け治療薬・医療機器の大手。iStentファミリーやiDose TRなどのMIGS製品と角膜治療薬を展開、従業員約995人(2024年12月31日時点)の体制。2012年のiStent商業化以降成長を遂げ、2024年3月に臨床段階バイオ企業を買収、同年12月に転換社債を償還したイベント。米国中心で売上の70%を占める展開地域。

事業内容

GLAUKOS Corpは眼科向けの医療機器と治療薬を開発・販売する企業で、特に緑内障や角膜疾患、網膜疾患に対する治療に注力しています。同社は手術で使う小型インプラントや眼内で薬を持続放出するデバイス、角膜治療のための薬剤や手技に用いる医薬品などを主力製品として展開しています。

主な顧客は外来手術センター、病院、眼科医の個人診療所で、米国向けは直販、海外は現地子会社や代理店を通じて販売しています。収益は製品販売が中心で、2024年はiStent系やiDose TRを含む製品群が約79%、iLink療法が約21%を占め、売上の約70%が米国、30%が国際市場から来ています。

同社は事業を単一の眼科領域セグメントとして運営し、主要な製品ラインはマイクロ侵襲緑内障手術向けインプラント、眼内薬剤持続放出デバイス、角膜向け薬剤と交差結合療法、ならびに手技的に用いる薬剤療法と開発中の前眼部・後眼部向けパイプラインに分かれています。これらは臨床データと外科医の採用状況が成長に直結するため、同社は研究開発と販売体制の強化に力を入れています。

経営方針

同社は持続的な売上成長と事業規模の拡大を目指しています。実際、2024年の売上高は約3.83億ドルと前年の約3.15億ドルから増加しており、iStentファミリーや2024年に商業展開を開始したiDose TRなどの新製品投入が成長をけん引しています。株主価値の面でも、2019年を基準にした株主総利回りは大きく改善しており、2024年末時点の市場評価や同社の従業員数(2024年12月31日時点で約995名)を背景に、収益拡大とキャッシュ創出の両立を目標に掲げています。

同社は重点投資を製造能力の拡充と研究開発に置いており、2024年の研究開発費は約8,460万ドル、臨床関連費は約5,180万ドルに上りました。差別化戦略としては「点眼に頼らない(dropless)」「持続投与できる埋め込み型治療」といった独自の薬剤送達プラットフォームを武器に、外科的デバイス(MIGS、iStent)と手術時に持続的に薬を投与するiDose TRを組み合わせて提案しています。加えて、角膜疾患向けのフォトレックス(iLink)という米国で承認済みの製品を保有しており、臨床データでの優位性と自社直販を中心とした販売体制(米国売上比率約70%、国際約30%)で医師の採用を促しています。

新市場開拓と事業拡大では、地理的な拡大と縦横の製品ポートフォリオ拡充を進めています。2024年には臨床段階のバイオ医薬品企業を取得するために自社株5.0百万ドル分と現金約5.1百万ドルを支出しており、当該資産の商業化が進めば開発マイルストーンで最大5,100万ドル、売上マイルストーンで最大1億5,000万ドル、さらに売上ロイヤルティ(低二桁)を支払う契約条項が設定されています。製造面ではカリフォルニアの既存拠点に加え、アラバマ州ハンツヴィルに200,000平方フィートの研究開発・製造施設を計画しており、建設は2026年開始予定で、2025年は製造・R&D向け設備投資が増加する見込みです。

技術革新への取り組みは同社の中核で、既存のMIGS技術に加え、持続投与型のプロシージャル医薬や前後眼部(前房・網膜)向けのパイプライン開発に資源を集中しています。研究開発や臨床でのエビデンス構築を重視し、医師の採用を促すための学術発表や臨床データ整備に投資している点も特徴です。加えて、外部技術の買収やライセンス取得を積極的に行い、既に取得した技術に対しては業績連動型のマイルストーン条項を設けてリスク分散を図るなど、実装に向けた資本配分と技術蓄積を同時に進めています。