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Guardant Health, Inc.GH
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事業内容
Guardant Health, Inc.は、血液を使ったがんの分子検査を中心に事業を行う医療検査・データ企業です。主力は血液検査でがんの遺伝子変化やエピゲノムに関する情報を高感度に検出するプラットフォームで、患者に負担の少ない方法で治療方針の決定や早期発見に役立つ情報を提供しています。
同社の主要な顧客は病院やがんセンターなどの臨床医、保険者や患者、そして製薬会社です。収益は臨床向けの検査結果の報告に伴う検査料と、製薬会社向けの開発サービスやスクリーニング契約に基づく契約収入が柱で、保険償還や契約条件に応じた回収管理を行っています。
事業は大きく臨床向けの精密腫瘍学検査と、製薬企業向けの開発支援サービスに分かれています。臨床側では包括的な遺伝子解析や最小残存病変の検出、早期スクリーニングに関する検査を提供し、開発支援ではバイオマーカーの探索、臨床試験の被験者スクリーニング、診断薬の開発支援などを手掛けています。
経営方針
同社は事業拡大と技術投資を両輪で進めることで成長を図っています。具体的には内部留保を重視し配当を行わない方針を掲げる一方で、資本市場からの調達も積極的に実行しており、2023年5月の公募で約3.81億ドルの純収入を得たほか、同年12月に約9,060万ドルを調達しました。加えて2024年8月には最大4億ドルの市場売出し枠を設定し、2025年2月には既存の債務を再編して6億ドルの新型転換社債を発行するなど、資本構成の最適化で成長投資の原資を確保しています(発行済株式数は2025年2月時点で123,421,441株)。
同社は研究開発と臨床エビデンスの構築に重点投資し、これを差別化の源泉としています。研究開発関連の株式報酬費用は2024年で約5,056万ドルに上り、設備投資も進めているため機器や建設中資産の合計は数千万ドル規模です。製品面では血液を用いた分子診断(血液検査によるがん検査)を核とする「Smart Liquid Biopsy」プラットフォームで、遺伝子変化に加えエピゲノム情報も取り込むことで高感度かつ高特異度の検出を低コストで実現することを目指しています。供給面では主要試薬やシーケンサーの長期供給契約(少なくとも2033年までの契約例)と複数ロットの安全在庫戦略で安定供給を確保しています。
同社は市場開拓として臨床現場とバイオ医薬品向けの二軸で拡大を図っています。臨床側ではがん診療科医や地域診療所、統合型医療機関・公的医療機関への営業を強化し、組織学的検査(組織検査)に代わるあるいは補完する選択肢として自社検査の採用を促進するため、米国・欧州・アジアでの比較試験や実臨床データの公表を推進しています。バイオ医薬品側では探索や耐性機構の解析、臨床試験の被験者スクリーニング、治療薬の伴走試験(コンパニオン診断)など幅広い用途で企業向け販売を伸ばす計画です。過去にはソフトバンクとの合弁を買収して海外展開の基盤を自社に取り込み(買収対価約1.78億ドル)、グローバル展開を加速しています。
同社は技術革新を継続的に進めることで長期的な競争優位を築こうとしています。臨床的信頼性を高めるために査読付き論文の発表や診療ガイドラインへの反映を狙い、また解析パイプラインは自動化・半自動化された高スループットワークフローを採用して品質管理とスピードを両立させています。特許や知的財産の獲得も行う一方で、特許期間の制約や競合の進展を踏まえ常に製品の更新を続ける方針で、データ統合やエピゲノム解析といった次世代的な技術に集中投資することで、臨床・商業両面で差別化を図っています。