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GFL Environmental Inc.GFL
事業内容
GFL Environmental Inc.は北米で廃棄物と環境サービスを手がける企業で、固形廃棄物・液体廃棄物・土壌修復といった総合的なソリューションを提供しています。収集から運搬、処理、資源回収や埋め立てに至るまで、広い設備と車両ネットワークでサービスを展開しています。
同社の主要顧客は自治体、一般家庭、商業・産業顧客で、特に自治体向けの長期契約と定期収集が収益の柱になっています。収益はカナダと米国でほぼ半々(概ね米国52%、カナダ48%)で、契約に基づく定期収入が安定したキャッシュフローを生んでいます。
事業は大きく固形廃棄物、液体廃棄物、インフラ・土壌修復の三本柱に分かれ、固形では住宅・商業の収集や資源回収、埋め立て管理を、液体では工業廃液の収集・処理を、土壌修復では汚染土の除去や現場の復旧を行っています。地域ごとの運営権と施設網を活かし、選択的な買収で地域密度を高めて効率化と収益性の向上を図っています。
経営方針
同社は長期的な株主価値の創出を目指しており、成長戦略は「(i)安定した既存事業の有機的成長、(ii)選択的かつ収益性の高い買収、(iii)プラットフォーム全体でのコスト効率化」の三本柱で推進しています。2020年度の連結売上高は約41.96億米ドル(約41.96億米ドル=4,196.2百万ドル)で、カナダと米国(27州)で事業を展開し、従業員は1.5万人超を擁しています。過去の実績としては2007年以降140件超の買収を完了しており、2020年の新規上場(IPO)で調達した総額約28.9億米ドル(約21.7億米ドル)は、主に高利の社債償還や借入金の返済に充てて財務健全化を図っています。
同社は重点的に投資する分野として、堅調で再現性の高い固形・液体廃棄物処理事業に加え、インフラ・土壌浄化やリサイクル・資源回収分野を挙げています。具体的施策としては既存顧客へのクロスセル強化や契約更新の獲得、必要に応じた料金改定によるマージン改善、地域密度(ルート密度)の向上によるコスト削減を進めています。ビジネスモデルの差別化要因は、広域に分散した施設ネットワークと資本集約的な設備による参入障壁、そして地域ごとに裁量を持たせた分散型の運営体制で、これが従業員の当事者意識と業務効率を高めると同社は説明しています。
新市場開拓と事業拡大は買収と有機成長を組み合わせて実行する計画です。同社は「有望な独立系地域事業者のプラットフォーム化」を重視し、プラットフォーム買収の後にタックイン(枝葉的買収)で密度を高める手法を採っています。地理的にはさらにサービス提供地域を拡大して地域密度を高めることで、収益性の高い契約を獲得しやすくする狙いです。ただし大規模買収や設備投資には追加の資金調達(借入等)が必要となる場合があるため、同社は資金繰りと統合実行能力を重視しています。
技術革新については、処理能力や資源回収率を高める設備投資、業務効率化のためのIT基盤整備、及び廃棄物からのエネルギー回収(埋立地発電)や堆肥化処理・リサイクル工程の拡充に注力しています。具体的にはリサイクル工場や有機廃棄物処理施設の拡張、経営管理や報告体系の統一による管理コストの低減、ルート最適化や集中購買による調達コスト削減を進め、これらを通じてマージン拡大と強いフリーキャッシュフローの実現を目指しています。