GoodRx Holdings, Inc.GDRX

時価総額
$10億
PER
処方薬の価格比較・割引プラットフォームの米国大手。処方取引、Gold定額、医療者向けProvider Modeを展開。2022年4月にvitaCareを約1.32億ドルで買収。米国中心に展開。

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企業概況
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事業内容

GoodRx Holdings, Inc.は、消費者が医薬品の店ごとの価格を比べて割引を利用できるオンラインプラットフォームを運営し、定額のGoldプランや遠隔診療サービスも展開しています。同社はウェブサイトとアプリを通じて、処方薬の価格情報や割引コードを無料で提供し、必要に応じて有料の定額サービスや診療を案内しています。

同社の利用者は主に処方薬を購入する個人で、収益は主に医薬品メーカーや薬局・薬価交渉を行う事業者(PBM)との商取引や広告、そしてGoldなどの定額会員料から成り立っています。同社はプラットフォーム経由の取引やメーカー向けの販促・患者支援ソリューションで収益を得る一方、一部のPBMや薬局との契約に依存する点が収益構造の特徴です。

事業は大きく処方薬向けのマーケットプレイス、定額の割引サービス(Gold)、医薬品メーカー向けの広告・価格支援ソリューション、医療者向けのProvider Modeや電子カルテ連携、そしてGoodRx Careによる遠隔診療に分かれています。同社はこれらを軸に薬局での決済連携や処方配送、保険や臨床試験関連など新たな領域への拡大も視野に入れて事業を進めています。

経営方針

同社は「消費者中心のデジタル医療プラットフォーム」を軸に、収益性と持続的成長の両立を目指しています。具体的には処方薬の取引手数料で獲得した顧客基盤に対して、製薬メーカー向けソリューションとサブスクリプション(特にGold)を拡大することで、より高い顧客生涯価値を引き出すことを狙っています。公開情報に明確な中長期の売上目標は示されていませんが、同社は効率的な成長とマージン改善を重視しており、2024年末時点での有利子負債(タームローン約5億ドル)や株主還元のための買戻しプログラム(2024年発表で上限4.5億ドル)など資本政策を通じて財務の最適化を図っています。IPO資金の使途としてはこれまでに約1.64億ドルを買収、2.62億ドルを自社株買い、1.60億ドルを負債返済に充て、残額約3.005億ドルを運用しています。

同社は重点投資分野として製薬メーカー向けのソリューションとサブスクリプション事業に注力しており、「信頼あるブランド」「大量の購買意欲の高い消費者」「使いやすい体験」を差別化要因と位置付けています。具体策としては製薬メーカーの広告と一体化した支払い支援や、ブランド浸透率の向上、各メーカーに対する複数のソリューション提供を進める方針です。また、処方薬のサブスクリプション(Gold)は郵送配送や自社の遠隔診療サービスをバンドルすることで単価と継続率の向上を図っており、同社はこのサブスクリプションが取引型サービスよりも高い顧客生涯価値を持つと位置づけています。

同社は新市場開拓と事業拡大にも積極的で、臨床試験支援、保険マーケットプレイス、対面診療や処方薬配送、医療従事者向けの差別化機能(Provider Mode)などへ横展開する計画を掲げています。成長手段としては直接契約型の薬局網やPBMとの統合的な割引プログラムの拡大、さらに戦略的買収や提携を継続的に追求しており、直近ではvitaCare買収(総額約1.318億ドル、2022年)や2025年1月のVivid Clear Rx関連資産取得なども実行しています。一方でPBMや大手薬局との交渉変化や店舗閉鎖などで処方件数や収益が四半期ごとに大きく変動するリスクがある点も同社は開示しており、2024年には顧客集中が緩和されている(当該年度は単一顧客が収益の10%超とならなかった)ことを示して管理に努めています。

技術革新面では、膨大な価格・処方データの収集・解析、電子カルテ(EHR)との統合、遠隔診療プラットフォーム(GoodRx Care)や医療者向けツールの提供などを通じて体験と効率の向上を図っています。同社は研究者やデータ基盤を活用して価格表示や推奨の精度を高め、製薬メーカー向けには統合型の技術ソリューションを提供することを目指しています。技術・プロダクト開発への投資は人員構成にも表れており、2024年時点で約738人の従業員のうち約391人がプロダクト開発・技術に従事しているなど、テクノロジーを成長と差別化の中核と位置づけています。