GOLDEN ENTERTAINMENT, INC.GDEN

時価総額
$7.4億
PER
カジノリゾート、ローカルカジノ、ブランドタバーン運営の大手。配布型ゲーム、ロイヤルティプログラム、オンサイト保健サービスを展開。2024年1月10日に配布型ゲーム事業を売却、2024年2月27日から四半期配当$0.25を宣言。ネバダ州を中心に米国で展開。

事業内容

GOLDEN ENTERTAINMENT, INC.はネバダ州を中心にカジノ運営を軸としたエンターテインメント事業を展開しています。 同社はカジノリゾートや地域向けカジノ、自社ブランドのタバーン(酒場)を運営し、スロットやテーブルゲームに加え、宿泊や飲食、娯楽イベントを組み合わせたサービスを提供しています。

主要な顧客は来場するギャンブル利用者や地元の飲食・娯楽利用者で、収益の中心は賭け金に基づくゲーム収入です。 宿泊料や飲食売上、イベント収入、およびロイヤルティプログラムからの収入も重要で、プロモーションや無料サービス(コンプ)で顧客の来店と支出を促します。

事業はネバダのカジノリゾート、地域向けカジノ、ブランド・タバーンのセグメントに分かれます。 同社は2024年に分配型ゲーミング事業を売却し、その後は一部で外部事業者が運営する機械から得る純額を受け取る形に移行しました。 また、プレイヤー関係や商標などの無形資産とロイヤルティ施策を使って顧客維持と収益最大化に取り組んでいます。

経営方針

同社は株主還元と財務の安定化を成長の両輪と位置づけています。具体的には、2024年2月27日に開始した四半期配当の定期化(1株当たり0.25ドル)を継続しており、こうしたキャッシュリターンを重視する一方で負債管理にも注力しています。たとえば、2024年には2026年償還の無担保社債を276.5百万ドルで償還し、流動性確保のために240百万ドルのリボルビング・クレジット枠のうち220百万ドルの借入余裕を保有している点が挙げられます。加えて自社株買いの実施で株主還元を強化しており、買戻し費用は前年より約82.4百万ドル増加しています。

同社は重点投資分野としてゲーミング施設の改修とブランデッド・タバーンの拡大を掲げています。具体的には、主要資本支出の多くをThe STRATの改修に充て、2024年の資本支出は約49.9百万ドルにのぼりました。また、地域密着型の飲食・娯楽店舗を拡充するために、2024年にGAPタバーン2店舗を7.3百万ドルで取得するなど、タバーン事業の拡大で差別化を図っています。サービス面でも「I CARE」などのホスピタリティ方針と人材育成を重視し、従業員向けの学習管理システム「GEMS」による研修投入で顧客体験の向上を図っています。

同社は新市場開拓と事業ポートフォリオの最適化を並行して進めています。分配型ゲーミング事業を2024年に売却してキャッシュを創出(売却に伴う現金受領は約204.4百万ドル)し、コア資産であるネバダのカジノや地域タバーンに注力する戦略にシフトしています。拡大機会はライセンス承認などの規制要因に左右されるため、運転資金やリボ枠、必要に応じた外部調達を資金源にして慎重に買収や出店を検討する方針です。

同社は技術革新を運営とリスク管理の両面で推進しています。サイバーセキュリティは最重要課題として、米国国立標準技術研究所(NIST)のフレームワークを参照したリスク管理体制とインシデント対応計画を整備し、全社のリスク管理プロセスに統合しています。現場運営では「GEMS」によるデジタル研修投資(2024年に約73,000件の受講実績)や、ユーティリティ使用を可視化するスマート技術や節水機器への投資を進め、運営効率と持続可能性の向上を目指しています。