TechnipFMC plcFTI

時価総額
$182.3億
PER
海底・陸上向けの石油・天然ガス設備とライフオブフィールドサービスの大手。ROVやSchilling Robotics製ロボット、Subsea 2.0®とSubsea Studio™を展開。2022年3Qにハリバートンと技術提携を更新。北米・欧州・アフリカ・アジア太平洋・中東で展開。

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企業概況
103文字)
業績概況
テーマ
2項目)
ブランド
ライバル企業
3社)
同業種の日本企業
2社)

事業内容

TechnipFMC plcは、海底(サブシー)と陸上の油・ガス分野向けに機器の設計・製造と工事・保守サービスを行うグローバル企業です。同社は海底設備の据付や井戸の掘削・介入、ロボットによる点検・作業、そしてデータをつなぐデジタルプラットフォームによる運用支援を主力としています。

主要顧客は大手統合石油会社、国営石油会社、独立系の探査・生産会社で、2024年は上位3社が売上の18%、13%、11%を占めています。同社は一回限りの機器販売・据付と、設備の保守や生産管理などのライフサイクルサービスを組み合わせて収益を得ており、顧客数を増やすことで特定顧客への依存を下げています。

事業は大きくSubsea(海底)とSurface(陸上)の二つのセグメントに分かれます。Subsea側では井戸サービスや資産の維持管理、ロボット機器やデジタル連携を軸に、Surface側では地上・浅海向けの井戸口機器や生産ツリー、掘削・圧送機器とそれらに伴うサービスを扱っています。同社はまた、納期とコストを改善するためのモジュール化プラットフォーム(Subsea 2.0等)や耐腐食性の新素材パイプなどの技術開発にも注力しています。

経営方針

同社は中期的に売上と株主還元の両面で安定成長を図ることを目指しています。2024年時点の時価総額は約78億ドル(2024年6月28日)で、発行済普通株式は約4.2億株(2025年2月25日)です。株主還元では2023年7月に四半期配当0.05ドル(年換算0.20ドル)を導入し、さらに自社株買い枠を拡大しており、2024年10月までの追加承認を含め合計約18億ドルの買戻し枠を設定しています。実行面では2024年第4四半期に約240万株、約7000万ドルを買い戻すなど資本効率向上に取り組んでいます。

同社は事業投資を戦略分野に集中させることで差別化を図ることを目指しています。中でも海底開発(サブシー)分野で「工業化」に賭け、あらかじめ設計を標準化したモジュールを組み合わせて迅速に供給する実行モデルへ転換しています。これにより納期短縮や品質の予見性向上、既存設備の生産性を高めることを狙っています。さらに陸上・浅海向けの設備や、二酸化炭素輸送・貯留や地下水素貯蔵などニューエナジー領域にも製品・サービスを展開し、ロボット(遠隔操作機器)やデジタル監視などを組み合わせた一体的な提供で競合と差をつけています。

新市場開拓では国際市場の比重を高める戦略をとっており、特に表面技術(Surface Technologies)は2024年に国際売上が60%超を占めました。中東(アラブ首長国連邦、サウジアラビア)や北海、アジア太平洋での活動拡大に注力し、国有石油会社など長期投資を行う顧客との関係強化を進めています。同社は顧客基盤の多様化も進めており、2024年の連結売上では上位3社でそれぞれ18%、13%、11%を占めている一方、登録顧客数は40社超へ広がっており、長期案件の見通し(FIDsに向けた案件リスト)を基にデリバリー能力を高める計画です。

技術革新への取り組みは経営戦略の中核であり、同社はデータと自動化による生産性向上と排出削減を目指しています。プロジェクトのライフサイクル全体でデータをつなぐデジタル基盤を整備し、遠隔モニタリングや仮想計測による生産管理を推進しています。ロボット工学や高耐腐食の複合材を用いた新型配管の採用検討、業界大手との技術連携による電動井戸や炭素輸送・貯留技術の共同開発など、研究開発と実装の両輪で競争力を維持することを目指しています。