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FTAI Aviation Ltd.FTAI
事業内容
FTAI Aviation Ltd. は航空機とエンジンなどの航空資産を取得・保有し、それらをリースすることを中心に事業を展開しています。加えて、自社でのエンジン修理や部品の修復・販売、整備施設の運営といった航空関連の製品・サービスも提供しています。
同社の顧客は主に航空会社や輸送事業者、グローバルな産業企業で、リース収入と整備・部品販売が主な収益源となっています。過去には特定顧客への収益集中が見られたものの、2024年時点では単一顧客が売上の10%を超えないなど顧客基盤の分散を図っています。
同社は事業を大きく「航空リース」と「航空製品」の二つのセグメントで運営しており、合計で約421件の資産(約109機の旅客機と312基のエンジン)を保有しています。多くを第三者にリースする一方で、エンジンのモジュール修理や部品の解体・修理・販売を行い、近年はモントリオールの大規模整備施設買収や外部パートナーとの資本提携を通じて整備能力や資産効率を高める戦略を進めています。
経営方針
同社は資本効率を高めつつ規模を拡大することを成長戦略の中心に据えています。2024年末時点で連結総資産は約40億ドル、自己資本は約8,140万ドルを有しており、保有する航空資産は合計421台(旅客機109台、エンジン312基)で、2024年第4四半期の稼働率は約76%でした。固定資産の保有と同時にパートナーシップを通じた「アセットライト」モデルを推進し、安定したキャッシュフローと資産価値の向上を狙っています。同社はこうした両輪での成長を目指しています。
重点投資分野は航空機のリース事業とアフターマーケット(エンジン修理・部品)で、差別化は整備・供給チェーンを内部化・独占的提携で固める点にあります。具体的には、CFM56やV2500向けのモジュールや部品の修理・再販を自社のメンテナンス施設や独占パートナーを通じて行い、25%出資の合弁で修理コスト削減策も開発しています。2024年にはロッキード・マーティンからモントリオールの整備施設を約1.70億ドルで取得し、製造能力を確立するなど、供給面で他社にない強みを築いています。
新市場開拓と事業拡大は外部資本との連携で進めています。2024年12月に発表した「Strategic Capital Initiative」では、初のパートナー(2025 Partnership)が737NGとA320ceoの取得を主導し、同パートナーが同社から46機を約5.49億ドルのネット買付価格で取得する合意を結びました。同社はこれらのパートナーに対して航空機管理業務を提供し少数出資を行うことで、自己資本の過度な投入を抑えつつ市場シェアを拡大することを目指しています。加えて、2024年に経営の内部化を実行し外部管理費用を削減する一方で、移行に伴う約3.00億ドルの一時費用を支払っており、長期的な収益性改善を見込んでいます。
技術革新への取り組みは整備・修理事業の高度化と情報セキュリティの強化に軸足を置いています。整備現場では部品のモジュール化・リビルドプログラムや合弁での修理最適化を進め、ライフサイクルでのコスト低減と収益性向上を図っています。また、サイバーセキュリティは経営トップが統括し情報セキュリティ委員会(ISSC)や外部専門家を活用してリスク管理を実施しており、業務継続性と顧客データ保護の両面で改善を進めています。同社はこれらの技術・運営投資によって競争優位を強化することを目指しています。