FRP HOLDINGS, INC.FRPH

時価総額
$4.5億
PER
不動産開発・保有の有力企業。倉庫・商業施設の賃貸、鉱山ロイヤルティ土地約16,648エーカーとマルチファミリー開発を展開。2022年11月に20%持分を6530万ドルで売却。フロリダ・ジョージア・メリーランド・バージニア・サウスカロライナ・ワシントンD.C.で展開。

事業内容

FRP HOLDINGS, INC.は不動産を中心に事業を行う持株会社で、工業・商業用物件の保有・賃貸、採掘権に基づく土地の賃貸・ロイヤリティ、土地開発と賃貸住宅事業を主力に展開しています。複数の子会社や共同事業を通じて、物件の取得から開発、賃貸運営まで一貫して手がけています。

同社の収益は賃料・ロイヤリティ収入と開発関連の売却や共同事業からの分配が中心です。採掘用土地のテナントは5社おり、そのうちVulcan Materialsが2024年の連結収益の23%を占めるなど顧客依存の側面もありますが、空室募集は全国の不動産仲介会社と連携し、社内のハンズオン管理でテナント継続を重視して収益を支えています。

事業は大きく4つのセグメントに分かれます。工業・商業セグメントは現在2つのビジネスパーク内の倉庫や一部を占有する事務所ビル、地上権を含む物件の保有・賃貸を行っています。採掘ロイヤルティ土地セグメントは約16,648エーカーを賃貸中で、Brooksvilleの共同事業を通じてさらに約4,280エーカーを保有し主にフロリダとジョージアに立地しています。開発セグメントは非収益土地をアパートや小売、倉庫、オフィスに転換するか第三者と売却・共同開発し、マルチファミリーセグメントは安定化した共同事業物件の賃貸・管理を行い、適時開発案件をこちらに移管しています。

経営方針

同社は中長期的な成長として、産業用不動産プラットフォームの拡大を明確な目標に掲げています。具体的には、向こう5年で産業用資産の規模を二倍にすることを目指しており、2025年に着工するフロリダの2件のジョイントベンチャーで保有倉庫床面積を49%増やし、総床面積を1.1百万平方フィート超に引き上げる計画です。これらが満室化すれば、全体で年間約530万ドル(持分比率では約440万ドル)の営業純収益(NOI)増加を見込んでいます。会社は2025年に約7,100万ドルの新規投資を想定する一方で、常に現金残高を4,000万ドル以上に保つという厳格な資本管理ルールを維持しています。

重点投資分野は明確に産業開発を中心としつつ、リスク分散のためにマルチファミリーや鉱業地権益にも注力しています。差別化の源泉は自社で保有する土地資産の規模と開発能力で、約21,500エーカーの保有地のうち鉱業権の対象は約16,648エーカー(加えてブルックズビルJVで4,280エーカー)にのぼります。同社は自社開発とジョイントベンチャーを併用し、例えばAltmanやMRP、Woodfieldなどのパートナーと共同でプロジェクトを進めることで資本効率を高め、インハウスのリーシングと管理チームによる「入居者満足度重視」の運営で賃料更新率を高める差別化を図っています。

新市場開拓と事業拡大では、2025年にフロリダでの2プロジェクト着工を皮切りに、メリーランド州ではCrouseとMechanics Valleyの用地を2026年までにシャベルレディ化する計画を進めています。加えて、二年ごとに産業用プロジェクトを3件程度着手するペースで継続的に開発を行い、五年で産業プラットフォームを倍増させるという成長モデルを描いています。マルチファミリー分野でもサウスカロライナとフロリダで合計約810戸、満室化後に持分で約600万ドルのNOIを見込む案件を検討しており、産業特化の攻めと資産クラスの分散で全体リスクを管理しています。

技術革新への取り組みでは、事業継続と情報保護を重視した実務運用が進んでいます。同社は外部が運営するサーバーのSOC報告を活用し、ディザスタリカバリ拠点を確保するとともに、ファイアウォールや仮想専用網(VPN)、多要素認証、メールゲートウェイなど多層的な防御を導入しています。IT運営は専任コンサルタントが週次の業務会議に参加しており、フィッシング訓練やアクセス権見直しを定期的に行うことで、サイバーリスクの予防・検出・対応体制を整備しています。