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FRIEDMAN INDUSTRIES INCFRD
事業内容
FRIEDMAN INDUSTRIES INCは、鋼材の製造・加工を行う企業で、主に熱間圧延の鋼板を加工してシートやプレートに仕上げる事業と、パイプ類を製造する事業を展開しています。同社は自社在庫の販売を中心に、顧客保有コイルの加工や保管といったサービスも提供しています。
同社の主な顧客は鉄鋼ディストリビューターや建築・輸送・産業向けの鋼製品メーカーで、平板製品の売上が全体の大半を占めています。2024会計年度は平板製品が約92%、管材が約8%を占め、主要取引先の一社であるO'Neal Steel向け売上は約16%にのぼります。
事業は平板製品部門と管材部門の二本柱で、平板部門はアーカンソー、アラバマ、インディアナ、イリノイ、テキサスの加工拠点で表面処理や長さ切断などの加工を行い、迅速な納品を重視しています。管材部門はテキサス州ローン・スターの工場で各種パイプを製造し、ねじ切りなどの仕上げ設備も保有しています。同社は各部門とも自社の営業チームを通じて販売しています。
経営方針
同社は設備投資と戦略的買収によって事業規模と迅速供給体制の拡大を目指しています。具体的には2022年4月にPlateplusからGranite City(イリノイ)とEast Chicago(インディアナ)の施設を取得し、同年10月にはSinton(テキサス)で新工場を稼働させるなどフラットロール加工拠点を拡充しました。これらの取り組みにより、フラットロールが2024会計年度の売上の約92%を占める一方で、同社の従業員数は268名、発行済普通株式は2024年6月時点で6,969,695株、2023年9月時点の非関連株主持分の時価総額は約9,200万ドルといった規模感を保っています。
同社は製造・加工能力への重点投資を通じて差別化を図っています。拠点にはテンパーミルやカット・トゥ・レングスライン、ストレッチャーレベラーなどを備え、板厚は16ゲージから1インチ、幅は36インチから96インチまで対応可能です。チューブル部門のTexas Tubular Productsでは電気抵抗溶接のパイプミルを2基保有し、外径2 3/8インチから8 5/8インチまで製造でき、API認証を有しています。さらに自社在庫販売に加え、顧客持込コイルの加工・保管を手数料で行うビジネスも展開し、迅速納品と幅広い品揃えで流通業者や加工メーカーと競合優位性を築いています。
同社は既存市場の深耕と隣接市場への展開を目指しています。フラットロール製品は主に中西部・南西部・南東部の約480社の顧客に販売しており、パートナーとの物流条件や拠点稼働状況を勘案して出荷拠点を最適化しています。パイプ製品は約92社の顧客に全国販売しており、パイプ仕上げ施設は現在休止中であるものの、必要に応じた稼働再開で付加価値サービスを拡充する余地があります。また主要仕入先が限られる点はリスク要因であるため、仕入先管理や在庫最適化も拡大計画の一環として対応しています。
同社は技術面では製造設備の能力向上と情報システムの堅牢化を両輪で進めることで技術革新を目指しています。製造側では新設・取得した拠点により多様な板厚・幅に対応する加工ラインを整備し、顧客の短納期需要に応えられる体制を強化しています。IT面ではNISTサイバーセキュリティフレームワーク2.0への整合、ファイアウォールやVPN、多要素認証、侵入検知・防御システムの導入、定期的なディザスタリカバリーテストや従業員向けフィッシング訓練を実施しており、業務継続性とデータ保護の両面で投資を続けています。