Fox CorpFOXA

時価総額
$274.9億
PER
ニュース、スポーツ、エンタメのメディア事業の最大手。ライブ・アポイントメント型番組とAVODプラットフォームを展開。2024年1月の春季プロフットボールリーグ創設で約42%を出資、2025年6月期にデジタル企業2社を買収、120億ドルの自社株買い枠を保有。米国中心に展開。

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企業概況
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業績概況
テーマ
1項目)
ブランド
1項目)
ライバル企業
4社)
同業種の日本企業
4社)

事業内容

Fox Corpはニュース、スポーツ、エンターテインメントを制作・配信する米国の総合メディア企業です。 同社はFOX News Media、FOX Sports、FOX Entertainment、Tubiや自社の地方テレビ局群といったブランドを通じて、ライブ性の高い番組や視聴者が「見逃せない」と感じるコンテンツを中心に展開しています。

主な顧客は広告主とケーブルや衛星などの配信事業者、そして視聴者です。 同社の収益は広告料と配信事業者からの契約料(アフィリエイト料)が中心で、Tubiなどの広告型配信や番組・放映権の販売も重要な収入源になっています。

事業は大きくニュース、スポーツ、エンターテインメント、ローカル放送、ストリーミングの各セグメントに分かれています。 同社は国内外での大規模なスポーツ中継、全国ネットのニュース番組、プライムタイム向けドラマやリアリティ番組、地元向け広告を扱う地方局、若年層向けの広告型動画配信サービスといった製品ラインを組み合わせて収益を追求しています。

経営方針

同社は安定した株主還元とブランド成長の両立を成長戦略の中心に据えています。具体的には、取締役会が承認した総額120億ドルの自社株買い枠(うち直近で追加発表した50億ドルを含む)などを通じて余剰キャッシュを株主還元に振り向けており、2025年以降も半期配当を継続的に引き上げており、2025年9月支払分は1株当たり0.28ドルとしています。短期的な収益の見通しとしては、同社が6月30日現在で将来1~3年に認識する見込みの残存業務義務が約54億ドルあることを公表しており、これらの契約収入や既存の広告・アフィリエイト収入を基盤に利益成長を目指しています。

同社はニュース、スポーツ、エンターテインメントという強固なブランド資産を差別化の核とし、ライブや「約束視聴(appointment-based)」コンテンツに重点投資しています。FOXニュースやFOXスポーツは線形放送における高いリーチを持ち、番組権や自社制作コンテンツへの投資により広告収入と配信側からのアフィリエイト料を確保する戦略です。デジタル面では広告型無料配信サービス(AVOD)であるTubiのコンテンツラインナップ(約30万本の作品)を活用し、若年層や多様な視聴者を取り込むことで、従来の放送とデジタルを組み合わせたマルチプラットフォーム収益を強化しています。

新市場や事業の拡大については、選択的なM&Aと少数持分投資を積極的に行っています。例えば2025会計年度には複数のデジタルメディア企業の支配権取得を行い、2025年7月にはスポーツ・エンターテインメント企業の非支配持分を取得しています。これらは自社の制作力や配信チャネルを補完するもので、将来のコンテンツ供給とデジタル配信での収益拡大を目的としています。一方で、共同で進めていたデジタル流通プロジェクトの撤退など事業の選択と集中も行っており、資本配分は買戻し・配当・コンテンツ投資・必要なM&Aの間でバランスを取る方針です。

技術革新の取り組みでは、ストリーミング基盤、広告技術、視聴者データの活用に投資していることを明示しています。具体的にはTubiなどの配信プラットフォームの機能強化や広告ターゲティングの精度向上を通じて広告単価と視聴時間の改善を図っており、制作現場や配信技術への投資でコンテンツ制作力を高めています。生成型人工知能など新技術の活用は検討しつつも、ブランドや信頼性へのリスクを踏まえたガバナンスを重視し、安全性と品質を担保する運用ルールの整備を進める方針です。