FEDERAL NATIONAL MORTGAGE ASSOCIATION FANNIE MAEFNMA

時価総額
$106.5億
PER
証券市場監督とEDGAR開示運用の米国最大手。EDGAR電子開示システムと公開データAPIを展開。スクリプト利用者向けに10件/秒のアクセス制限を設定。1986年の不正アクセス法や1996年の情報保護法に基づく監視を米国全域で実施。

事業内容

FEDERAL NATIONAL MORTGAGE ASSOCIATION FANNIE MAEは、米国の住宅ローン市場に資金と流動性を供給することを主な目的とする金融機関で、住宅ローンの買い取りと住宅ローン担保証券の組成・保証を通じて二次市場を支えています。これにより貸し手が新たなローンを組成しやすくなり、住宅取得の間接的な支援を行っています。

同社の主要顧客は商業銀行や住宅ローン会社といった貸し手およびそれらが組成する証券を買う投資家で、最終的には住宅ローンの借り手も間接的な利用者です。収益は主にローンを保証する対価として受け取る保証料、保有ローンや投資からの利息差益、証券化や売買による損益で成り立っています。

事業は大きく個人向け住宅ローン関連、賃貸用集合住宅向けローン関連、そして資金調達・証券化を担う資本市場機能の三本柱に分かれています。個人向け部門では住宅ローンの買い取りと保証を行い、集合住宅向けでは賃貸用不動産ローンの支援と保証を行い、資本市場部門は証券の発行やリスク管理を通じて市場での流動性を維持しています。

経営方針

同社は米国の住宅ローン市場での安定的な中核プレーヤーとして、保証ポートフォリオの拡大と市場シェアの維持・向上を目指しています。具体的には、年間で数千億ドル規模のローン保証を継続的に供給し、景気や金利変動下でも二次市場の流動性を確保することを経営目標に掲げています。これにより、住宅取得の入口を広げると同時に、収益源である保証手数料の安定化を図っています。

重点投資分野としては、低・中所得者向けの住宅支援や多世帯向け賃貸(マルチファミリー)、および信用リスクの管理強化に資源を割いています。低頭金や信用履歴の浅い借り手向けの商品設計や地方銀行との提携拡大を進め、差別化要因としては厳格な与信基準と市場での信用リスク移転(=保有リスクを投資家に移す仕組み)の併用で、貸倒れリスクと納税者負担の低減を両立させています。近年は年単位で数百億ドル規模のリスク移転取引を実行するなど、資本効率の改善に取り組んでいます。

新市場開拓や事業拡大では、従来の都市部中心から製造住宅や郊外・農村部への支援拡大、低所得層向けのダイレクト支援プログラム、さらには小規模金融機関の取り込みを進めています。住宅の省エネ改修や高齢者向け住宅といったニッチ市場にも融資枠を設定し、持続可能性や社会的課題解決を通じた成長を目指しています。こうした取り組みは、年間で数十億ドル規模の新規供給を見込む計画が社内で示されることが多く、事業ポートフォリオの多様化を図っています。

技術革新では、ローンの審査・承認プロセスの自動化や書類の電子化を最優先課題とし、審査時間の短縮と原価低減を目指しています。具体的には、デジタル申請の導入、貸し手向けの自動化ツール提供、電子記録化(e-note)やAPI連携によるデータ流通の効率化を進め、ローン一件あたりの処理コストを引き下げることを狙っています。さらに、気候関連リスクの評価やグリーンローンの枠組み整備にも投資し、長期的な耐久性とリスク管理を両立させる方針です。