Floor & Decor Holdings, Inc.FND

時価総額
$61.9億
PER
ハードサーフェス床材の有力企業。デザイン相談付きの倉庫型店舗と最大級の在庫を活かしたフローリングや施工資材を展開。商業用サーフェスの事業者を2023年6月に2,010万ドルで買収。米国38州で251店舗を展開。

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企業概況
108文字)
業績概況
テーマ
2項目)
ブランド
1項目)
ライバル企業
2社)
同業種の日本企業
1社)

事業内容

Floor & Decor Holdings, Inc.は、米国で大規模な倉庫型店舗を展開し、フローリングを中心としたハードサーフェス製品とそれに伴う施工資材、装飾アクセサリーを幅広く販売しています。同社は豊富な在庫を揃え「ジョブロット」単位で即日購入できる点を強みにし、店舗での販売に加えてECや設計サービスを組み合わせたワンストップの購入体験を提供しています。

同社の主要な顧客は住宅リフォームを行う一般消費者、プロの施工業者、そして成長分野である商業用途の顧客です。収益は主に店舗とオンラインでの小売売上が中心で、商業サーフェス事業の拡大や設計チームによる付加価値で客単価や粗利を引き上げることにも注力しています。

事業構成は主に小売(Retail)が中核で、商業向けやその他の事業を補完する形になっています。主要な製品ラインはラミネート・ビニール、タイル、木材、天然石、施工材料、装飾用タイルやアクセサリーなど多岐にわたり、同社は店舗網や流通拠点、在庫管理のためのデータ駆動型システムと専門のデザインチームを活用して商品供給と販売を効率化しています。

経営方針

同社は中長期での売上拡大と収益性改善を目指しています。直近の連結売上高は約44.6億ドル(2024年)で、店舗基盤は全米38州に251店舗を展開しており、店舗数と既存店売上の両面で成長を図る方針です。短期的には比較既存店売上の改善が課題で、2024年の比較既存店売上は▲7.1%となりましたが、同社は新規出店と既存店の改装、プロ向け販売の拡大により年間売上と長期的な営業利益率の上振れを狙っています。

同社は重点投資分野として店舗体験、商品調達、デザインサービス、物流インフラを挙げています。店舗面では倉庫型の大規模店舗を中心に品揃えのローカライズを進め、デザイナーによる無料の相談サービスを強化して客単価と顧客満足度の向上を図っています。商品面ではメーカーからの直接調達を重視し、在庫を「ジョブロット」(工事で必要なまとまった数量)で確保することで差別化を図っており、これらの施策で粗利改善と固定費のレバレッジを効かせることで営業利益率の改善を目指しています。

新市場開拓と事業拡大では、住宅向け小売に加え商業用サーフェス(商業床材)事業の拡大を掲げ、買収と有機的成長の双方を活用しています。過去にはSpartanやSalesmasterなど商業用販売会社を統合しており、同社は商業分野でのシェア拡大を目指しています。また全国的な配送網を拡充するためにハブとなる物流拠点(ヒューストン、サバンナ、ロサンゼルス、ボルチモア)を維持・拡大し、工事現場への即納性を高めることでプロ顧客の取り込みを狙っています。資金面では営業キャッシュフローと最大8億ドルの与信枠(ABL)を想定した資本計画で成長投資を賄う計画です。

技術革新では、在庫管理と販売予測を中核に据えたデータ駆動型の運営を進めており、基幹業務システム(財務・商品管理を一元化するERP)の段階的な導入を始めています。これにより店舗在庫の精度向上、発注の自動化、オンラインと店舗の在庫連携を強化し、欠品や過剰在庫の低減を目指しています。さらにPOSやEコマース、顧客対応の統合で「つながった顧客体験」を実現し、デザインサービスやプロ販売と連動した販売チャネル最適化を進めています。