FIVE BELOW, INCFIVE

時価総額
$85.3億
PER
トレンド志向の低価格雑貨小売の大手。主に5ドル以下で約4,000品を扱う店舗を展開。店舗数を2022年の1,340店から2024年の1,771店に拡大、売上高を31億ドルから39億ドルに成長。米国中心に展開。

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企業概況
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業績概況
テーマ
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ブランド
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ライバル企業
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同業種の日本企業
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事業内容

Five Below, Incは、トレンド性の高い雑貨やアクセサリー、玩具、ビューティー用品、菓子などを低価格で販売する米国の小売チェーンです。同社は店内に常時数千点の品ぞろえを展開し、多くの商品を5ドル以下で販売することで顧客の頻繁な来店を促しています。

同社の主な顧客はツイーン(小学生高学年)やティーンを中心とした若年層と、その家族やギフト購入者で、実店舗販売が収益の中心です。また、オンライン販売とオンデマンドの第三者配達も拡大しており、店舗売上に加えeコマース収入を取り込んでいます。出店攻勢により店舗数は2022年度の約1,340店から2024年度の約1,771店に増え、売上は約31億ドルから約39億ドルへ伸びました。

同社は商品を「スタイル(衣料・美容)」「ルーム(インテリア・収納)」「スポーツ(スポーツ用品・おもちゃ)」「テック(携帯・オーディオ小物)」「クリエイト(工作・学用品)」「パーティー」「キャンディ(菓子)」などのカテゴリー別に陳列し、1店舗あたり約4,000点の品揃えを特徴としています。定番カテゴリを保ちつつ品ぞろえを頻繁に入れ替え、トレンド商品と機会的な仕入れを組み合わせることで高い回転率を維持して顧客の再来店を狙っています。

経営方針

同社は既存の成功モデルを全国展開で拡大することを成長の中核に据えています。2024会計年度の売上高は$3,876.5 millionで、店舗数は1,771店舗に達しており、同社は2025会計年度に約150店舗の新規出店を計画しています。長期的には米国で3,500店舗超への拡大を目指しており、新規店モデルは平均約9,500平方フィートで開店後の初年度売上を約$2.0 million、1店舗当たりの平均投資額を約$0.4 million、回収期間は約1年という前提に基づいています。これらの数値を基に出店ペースと採算性の両立を図るのが同社の狙いです。

同社は商品と店舗体験への投資で差別化を図っています。典型的な店舗には4,000点超の品目を揃え、多くの商品を$5以下で提供する価格政策により来店頻度を高める戦略をとっています。仕入面では国内を中心とした幅広い仕入先を持ち、短納期と機敏な品揃え変更を重視するとともに、余剰在庫や機会購入を活用する「オポチュニスティック買付け」も行っています。マーケティングはデジタル中心で、InstagramやTikTok、モバイルアプリや地域のグランドオープン施策を活用して若年層への訴求を強化しています。

新市場開拓と事業拡大では立地と物流を両輪で整備しています。現在44州で展開しており、商圏人口10万人以上を目安にパワー型、コミュニティ型、ライフスタイル型の商業施設を中心に出店しています。新規出店時には同一市場で複数店を同時に開設して集中的な広告効果を狙うほか、配送拠点はペドリックタウンのシップセンターで約1,000,000平方フィートを確保しており、物流容量拡大と人員の採用・育成に継続的に投資しています。2024会計年度の資本的支出は約$324 millionで、インフラ強化が出店戦略の前提になっています。

技術革新では業務基盤の近代化に注力しています。2024会計年度にERPとしてOracle Fusionを導入済みで、過去には小売商品管理システムや人事管理システムも順次導入しており、これらにより発注・在庫・人員管理の効率化を図っています。ECは2020年度に立ち上げ、オンライン注文と即時配送連携を進めており、サイバーセキュリティはCISO主導でISO27001やNISTに沿った対策、年次のインシデント演習や外部評価を実施しています。これらの技術投資により、トレンド対応の速度向上とオムニチャネルでの顧客体験向上を目指しています。