FIRSTENERGY CORPFE

時価総額
$6.3億
PER
発電・送配電の大手。送配電網の近代化や太陽光発電事業、ネットワークのレジリエンス強化を展開。Energize365で2025〜2029年に約280億ドルの設備投資計画とBrookfieldが49.9%出資。米国東部中心に展開。

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企業概況
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同業種の日本企業
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事業内容

FirstEnergy Corpは米国を拠点に、発電から送電・配電までの電力インフラ事業を主に手がける電力会社です。家庭や企業向けに安定して電力を供給し、発電所の運転や送配電網の維持・運用、卸売電力の売買などを行っています。

同社の顧客は住宅、商業、工業に加えて卸売市場や大規模産業まで多岐にわたります。収益は主に規制料金に基づく配電事業と送電に対する関税、卸売販売の収入に依存し、さらに投資子会社や非規制事業からの収益も得ています。電力需要は季節や地域経済、特定産業の動向や天候変動に左右されやすい点が特徴です。

事業セグメントは主に規制された配電事業、発電と送電を含む統合セグメント、そして独立した送電事業群で構成しています。加えて、同社は「Energize365」と呼ぶ大規模な送配電インフラ投資計画を進め、送電網の拡張や配電網の近代化・耐久性向上に重点を置いて設備投資を行っています。

経営方針

同社は中期的に送配電を中心とした大規模投資で成長を図ることを成長戦略の中核に据えています。具体的には「Energize365」と呼ぶ事業計画で、2025年から2029年にかけて約280億ドル(約28 billion USD)の資本投資を想定しており、これにより系統の拡張や配電網の近代化を通じて信頼性を高め、収益基盤を拡大することを目指しています。加えて、同社はスコープ1の温室効果ガス実質ゼロ(カーボンニュートラル)を2050年までに達成する目標を掲げており、機器からのSF6漏えい低減や車両の脱炭素化など具体的な排出源の管理にも取り組んでいます。

重点投資分野は送電・配電の強化と系統のレジリエンス向上で、配電の近代化や耐候性向上のための設備更新、停電復旧力の強化に投資しています。同社は投資回収のために規制当局へのレート申請戦略を積極的に実行し、許認可や料金体系を通じて投資額の回収を確保する点で差別化を図っています。財務面では投資の資金調達と信用度維持を重視し、投資適格格付けの維持や金利カバレッジ比率(四半期を通じた統合利息支払能力)を少なくとも2.5倍以上に保つことを目標に、資本市場へのアクセスの確保や送電事業の資産売却による資金調達も進めています(例:FirstEnergy Transmissionの持分を外部パートナーへ売却し、資金を確保)。

新市場開拓や事業拡大では、送電網の拡張や共同事業を通じた地域間の連系強化、ならびに分散型電源や蓄電池の接続を見据えた接続インフラ整備を進めています。具体的には、送電会社(FET)への第三者出資を通じた資産の部分的売却で資本を効率化し、新規プロジェクトやグリッド改善に再投資する方針です。また、電力需要の変化に応じた顧客向けサービスの拡大や、規制環境に対応した収益機会の獲得を目指しています。

技術革新については、配電網のデジタル化やスマートメーターの導入、系統監視の高度化を通じて運用効率と信頼性を高めることに注力しています。加えて、電化の進展や蓄電技術への対応としてエネルギー貯蔵の受け入れ能力を強化し、設備の遠隔監視や予防保守を導入することで故障や停電の低減を図っています。こうした技術投資は温室効果ガス削減目標の達成と運用コストの抑制にも直結するため、同社は実務的な改善と規制対応を両輪で進めています。