FRESH DEL MONTE PRODUCE INCFDP

時価総額
$16.7億
PER
生鮮・カットフルーツと加工果実・飲料の垂直統合型事業の最大手。冷蔵コンテナ船などの物流サービスと2023年導入のカーボンニュートラルパイナップルを展開。2025年2月に最大1.5億ドルの自社株買いを承認。米国・欧州・日本・韓国・中東・アフリカで展開。

事業内容

Fresh Del Monte Produce Inc.は世界的に垂直統合された生鮮および加工果物・野菜の生産、販売、流通を行う企業です。同社はDel Monteブランドでパイナップルやバナナ、カットフルーツやカット野菜、缶詰やジュース、スナックなどを取り扱い、グローバルな調達・物流網で安定供給を実現しています。

同社の主要顧客は大手小売チェーンや卸、食品加工業者で、米国や欧州、英国、日本、韓国、中東など複数の地域に販売しています。収益は生鮮と調理済み製品の販売が中心で、バナナの調達では2024年に販売量の約47%を同社管理農園で生産し、残りを独立農家からの長期契約やスポット購入で補っている点が特徴です。またフィリピン産バナナの約95%を一つの大手供給者から調達するなど、供給集中の側面もあります。

事業は大きく生鮮・付加価値製品、調理済み食品、その他の製品・サービスに分かれます。生鮮部門ではバナナやパイナップル、アボカドや鮮度管理が必要なカット製品が中心で、調理済みでは欧州・中東での缶詰果実が強みです。加えて、同社は自社船や冷蔵コンテナを活用した第三者向け物流(Network Shipping)、ヨルダンの家禽・食肉事業、パイナップル副産物を利用したバイオマス・肥料事業など多角化を進め、コールドチェーンと食品安全への投資で差別化を図っています。

経営方針

同社はブランド力と垂直統合を活かして持続的な売上成長と収益改善を目指しています。具体的には、アボカドやパイナップルの国際展開を拡大し、既存の主要市場でのシェア拡大を図る計画を掲げています。株主還元や資本効率の改善にも注力しており、2024年は四半期ごとに1株当たり0.25ドルの配当を支払い、2025年には1株当たり0.30ドルの配当を宣言したほか、最大1億5,000万ドルの自社株買い枠を設定して資本構成の最適化を目指しています。

同社はサプライチェーンと付加価値事業への重点投資を進め差別化を図っています。冷蔵輸送能力の強化として6隻の冷蔵コンテナ船を保有し、米国や中央・南米の拠点にエージェンシーを開設することで輸送と保管を一体化しています。加えて、欧州での缶詰果物や準備食品分野でのブランド地位を維持するため、生産・流通の効率化や食品安全基準の徹底、Mann Packing事業の業務効率化によるコスト削減に投資しています。同社は安定供給と品質を武器に大手小売や外食チェーンの「優先サプライヤー」になることを目指しています。

同社は新市場開拓と事業の横展開にも積極的です。生産面では、フィリピンで約3,055ヘクタールを栽培し、約4,000ヘクタールを賃借してアジア・中東向けの供給基盤を強化しています。また、2025年開始予定のソマリア産バナナ供給に関するUAE企業との多年度協業や、中東・北アフリカ地域でのフレッシュおよび準備食品の販路拡大を計画しています。さらに、余剰輸送容量を活用した第三者向け海上物流事業(Network Shipping)や北米での陸上輸送・クロスドッキング・保冷倉庫の展開により、物流事業を収益の新たな柱に育てることを目指しています。

同社は技術革新と持続可能性を経営の重要施策として推進しています。パイナップル缶詰の副産物を活用したケニアのバイオ肥料プラントや、2024年に結んだバイオテクノロジー企業との合弁によりバイオマス事業を拡大しています。環境対応では「Del Monte Zero®」としてカーボンニュートラルなパイナップル製品を投入し、コスタリカで8,000ヘクタール超の森林保全に投資しました。情報面ではサイバーセキュリティの管理体制を強化し、業務システムの安全性と検知・対応能力を高めることでトレーサビリティと品質管理の高度化を目指しています。