FIRST BANCSHARES INCFBMS

時価総額
$11.1億
PER
15.9倍
地域銀行業の有力企業、従業員1,051人(2024年12月31日)。預金、商業・個人向け融資、住宅ローン、プライベートバンキングを展開。2023年1月にHSBIを2.215億ドルで買収、のれん約9,190万ドル計上。ミシシッピ、ルイジアナ、アラバマ、フロリダ、ジョージアで116拠点展開。

事業内容

FIRST BANCSHARES INC.は銀行持株会社で、子会社の地域銀行を通じて預金受入や貸出などのリテール・商業銀行業務を行っています。同社は当座・普通・定期といった各種預金商品や個人・事業者向けのローンを主力商品として提供しています。

同社の主要な顧客は個人、地元の中小企業、各種団体や自治体で、貸出金利と預金金利の差による利ざや収入と口座手数料が収益の中心になっています。高額資産向けのプライベートバンキングや住宅ローンの取り扱いも手数料収入の重要な源になっています。

同社の事業は大きく預金サービス、商業・消費者向けの貸出、住宅ローン部門、プライベートバンキング、そしてオンラインバンキングやATM、商取引支援、カードやキャッシュマネジメント等の付帯サービスに分かれています。退職口座や医療貯蓄口座といった資産管理サービスも扱い、ミシシッピ州を中心に周辺州を含む約116拠点で地域密着の営業を展開しています。

経営方針

同社は、融資拡大と資本効率の向上を両輪に成長を図っています。具体的には、融資残高を主要な成長エンジンと位置づけ、2024年末時点でローンポートフォリオは54.1億ドル、貸倒引当金(ACL)は5,620万ドルとしています。自己株式取得や配当を含む資本政策も重視しており、過去には総額3,000万ドル規模の自社株買い枠を設定し、2022年第一四半期に60万株を買い戻すなど株主還元を実行しています。こうした施策を通じて、収益基盤の拡大と資本の最適配分を目指しています。

重点投資分野は中小企業向けの商業融資、住宅ローン、プライベートバンキングなどの伝統的な銀行業務で、地域に密着したサービスで差別化を図っています。具体的には、個人・法人向けの各種預金商品や建設・取得ローン、設備投資向けローンを提供し、地域ごとに金利や取引条件を最適化しています。また人材と顧客対応への投資も重視しており、従業員は1,051人、店舗は2024年末で116拠点と地域網を維持・強化することで、大手との差別化を図っています。

新市場開拓はM&Aを中心に進めており、2023年1月に完了したHSBI買収では総額2.215億ドルの対価を支払い、これによりジョージア州やフロリダ・パンドハンドル地域への事業拡大を実現しました。買収に伴うのれんは約9,190万ドル、コア預金関連無形資産は4,370万ドル計上しており、統合費用や短期的な負担(たとえば買収関連費用は四半期で数十万〜数百万ドル)を見込んだ上で、地域拡大と顧客基盤の拡充を目指しています。今後も選別した買収と既存店舗の連携で新市場へ段階的に進出する方針です。

技術革新については、デジタルチャネルとサイバーセキュリティへの投資を重視しています。オンラインバンキングやモバイル入金、ATMネットワークなどの顧客向けデジタルサービスを提供すると同時に、多層防御のサイバー対策を導入し、境界防御用の高可用性ファイアウォール、仮想専用線(VPN)と多要素認証、脆弱性管理や検知対応サービスを運用しています。外部業者による侵入テストや従業員向け研修も実施しており、これまで事業に重大な影響を与えるサイバー事故は発生していないものの、継続的な投資で安全性と利便性の両立を図っています。