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FASTENAL COFAST
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事業内容
FASTENAL COは、工場や建設現場向けの消耗品や工具、締結部品(ボルト・ねじ等)を中心に販売する流通企業です。同社は現場に近い店舗ネットワークとオンライン注文を組み合わせ、在庫管理用の自動販売機型装置やオンサイトでの在庫補充サービスなど、単なる販売にとどまらない供給ソリューションを提供しています。
主要な顧客は製造業で売上の約70〜75%を占め、完成品メーカー向けの部品供給と施設の保守・修理に使う資材の両方を取り扱っています。残りは非住宅建設、流通業、輸送業、地方公共団体などで、売上の約72%は顧客との契約に基づく継続取引から生まれ、主要取引先からの売上が特に高い割合を占めています。
事業の中核は地域の出張所(支店)と大規模配送センター、車両を使ったルート配送、そして自動販売機型の在庫管理装置やデジタル発注・分析ツールによるサービス提供です。特定の機器や車両は限られたサプライヤーに依存する面があるものの、同社は代替調達の検討やデジタル化・オンサイト展開での成長を重視しています。
経営方針
同社は持続的な売上拡大を成長の第一目標としています。2024年の売上高は7,546百万ドル(約75.5億ドル)で前年から2.7%増加し、日次売上は29.6百万ドル、日次成長率は1.9%でした。成長の重点指標として、オンサイト(顧客現場設置型サービス)の導入件数やFMI(自動販売・管理デバイス)の稼働ユニット数、そして「デジタル経由」での売上比率を重視しており、同社はデジタル経由の売上比率を2025年中に66〜68%に引き上げることを目指しています。
重点投資はオンサイト展開、FMIソリューション、デジタル化とそれを支える人材・分析基盤に向けられています。具体的には2024年にオンサイトの新規契約を358件(当初目標は375〜400件)獲得し、年末のオンサイト稼働ベースは2,031ユニット(前年から+11.5%)になりました。FMIの新規MEU(管理ユニット)サインは27,984件で、稼働ベースは126,957台(+12.2%)に達しています。このような投資は人員や技術、営業支援費(例:分析人材や営業関連出張)にも反映され、2024年は販管費比率が若干上昇したものの将来の拡大を支える意図で行われています。
新市場開拓と事業拡大では北米既存市場の深堀りに加え、国際展開と非従来の顧客領域への浸透を進めています。同社は北米で取り扱う製品需要を約1,400億ドル超と見積もり、産業向け自動販売機の潜在市場を約170万台、オンサイト導入候補拠点を11,000か所超と推定しています。加えて倉庫・物流体制の強化として、マグナ(ユタ州)で約29万平方フィートの配送センターを2025年6月完成予定、またノースカロライナのハイポイントでの改装で追加配備を行うなど、物理的なネットワーク拡充も進めています。
技術革新ではデジタルの「フットプリント」と呼ぶ販売経路の拡大と、FMIプラットフォーム(自動販売やビン管理装置)を中核に据えています。具体的な取組みとしてFASTVend/FASTBin等のデバイス導入と、それらから得られる消費データを用いたプロセス/消費分析を強化し、顧客ごとの在庫最適化や購買代行サービスの付加価値化を図っています。これにより同社は現場密着のサービスを武器に競合と差別化し、デジタル経由での販売比率引上げやオンサイトの拡大で顧客の総保有コスト削減に貢献することを目指しています。