Diamondback Energy, Inc.FANG

時価総額
$427.3億
PER
石油・天然ガス上流の大手。ペルミアン盆地で横井掘削による油中心の生産と約9188の掘削候補地を展開。2024年4月に55億ドルのシニアノート発行で資金調達、同年の大型買収で約500,849エーカー取得。米国テキサス中心に展開。

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企業概況
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事業内容

Diamondback Energy, Inc.は米国テキサス州を中心に、パーミアン盆地で原油と天然ガスの探査・開発・生産を主に行う上流のエネルギー会社です。同社は掘削から完井、日常の生産管理まで一貫して実施し、原油、天然ガス、天然ガス液の生産を市場で販売して収益を得ています。

同社の顧客は主に石油・ガストレーダーやパイプライン会社、その他の大口購入者といった少数の顧客に集中しており、上位数社が売上の大きな割合を占めるのが特徴です。収益構造は自社生産の販売が中心で、一定の出荷コミットメントに基づく契約履行のために必要に応じて第三者供給を利用したり、短欠時に金銭的な調整を行う仕組みを持っています。

事業は報告上「上流」セグメントで一元管理されており、資産取得、探査・評価、掘削、開発、日常生産を中心に運営しています。加えて、鉱区権やロイヤルティ収入を通じた収益源(Viperを含む)や一部の中流投資を有し、広い掘削候補地のインベントリを背景に資産取得や開発計画を進めています。

経営方針

同社は資本効率を最優先に置く成長戦略を掲げています。2024年は資本支出を約29億ドルに抑えつつフリーキャッシュフローを創出し、2025年は保有する買収案件(Double Eagle想定)を反映して資本支出を約38億〜42億ドルと見込んでいます。株主還元にも力を入れており、四半期ごとのフリーキャッシュフローの少なくとも50%を株主に還元する方針を示しているほか、短期的には純有利子負債を100億ドルへ引き下げることを目指し、長期では60〜80億ドルのレンジに維持することを目標としています。加えて、バランスシート強化のために少なくとも15億ドル相当の非中核資産売却を進める計画です。

同社は低コストでの開発を重視する点で差別化を図っています。権益地は連続した区画が多く、中央集約型の生産施設や廃水処理設備を活用する「製造」的な開発手法で規模の経済を追求しており、自社で約92%を操業しているため操業費や掘削ペース、出荷調整を効率的に管理できます。平均で約80%の作業持分を有していることから、投資の効果を大きく享受できる構造になっており、ミッドランド盆地を中心にドリリングと完成作業の効率化で単位当たりコストの低減を図っています。

新たな市場開拓と事業拡大では、周辺資産の積極的な取得でリザーブと掘削候補を拡大しています。同社はPermian(ペルミアン)盆地での買収に強みを持ち、2024年にEndeavor買収を完了し、TRPとの資産交換(約14億ドル相当)など大型の取引を実行しました。経営計画上は2025年の生産見通しを総量で883〜909千BOE/日、うち原油は485〜498千バレル/日と示しており、既存の約9,188本(総計)という潜在的水平掘削候補や広範な地権(3次元地震データ約16,557平方マイル)を活用して中長期の開発ポテンシャルを確保しています。

技術革新への取り組みは開発効率と回収率向上に直結しています。経営陣は偏向掘削や水平掘削、完成(フラクチャリング)手法の最適化に継続的に投資しており、特に油層からの回収率を高めつつ完成コストを抑える技術改良を進めています。加えて業界内の上位操業者と業績を比較してベストプラクティスを導入することや、操業の「連続化」による人的・機材の効率化を図ることでインフレ圧力を緩和してきた実績があり、価格変動リスクに対してはヘッジ戦略で一定の備えをしています。