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FORD MOTOR COF
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事業内容
FORD MOTOR COは、自動車の設計・製造・販売を手がける世界的な大手で、ピックアップトラックやSUV、商用バン、乗用車、リンカーンの高級車を主力に展開しています。同社は車両本体だけでなく、整備・部品供給やコネクテッド機能を組み合わせた顧客体験にも注力し、電気自動車や車載ソフトウェアへの投資を進めています。
主要な顧客は個人の小売購入者と商業フリート、レンタカーや自治体などの法人顧客で、販売は主にディーラー網を通じて行っています。同社の収益は新車販売が中心ですが、部品・整備・延長保証やデジタルサービスからの収入に加え、自動車ローンやリースを扱う金融部門からの利息収入も重要な柱になっています。
事業は役割別に分かれており、ガソリン車やハイブリッドを主とするFord Blue、電気自動車と組み込みソフトウェアを推進するFord Model e、商用車と顧客向けサービスを担うFord Pro、そして販売金融を行うFord Creditの四本柱で運営しています。同社はこれらを組み合わせて顧客の選択肢を広げ、製造の柔軟性とソフトウェアによる付加価値で収益性の向上を図っています。
経営方針
同社は「Ford+」を成長戦略の中心に据え、より高成長・高収益・資本効率の高い企業を目指しています。具体的には、従来の強みであるトラックやSUVなどの車両事業(Ford Blue)に加え、電動化とソフトウェアを柱にしたFord Model e、商用車とサービスに特化したFord Proの三本柱で収益基盤を拡大する方針です。2023年の売上高は約176.2億ドル(176,191百万ドル)、会社ベースの調整後EBITは約104.2億ドル(10,416百万ドル)、調整後希薄化後EPSは約2.01ドル、調整後ROICは13.9%と、Ford+の下で収益性の改善に取り組んでいることが数値にも表れています。
重点投資分野としては、電動化(電気自動車、EV)とそれに付随するバッテリー・素材、車載ソフトウェアと接続サービス、商用顧客向けソリューションに資本を振り向けています。同社は顧客に「パワートレインの選択肢」を提供する方針を維持しつつ、製造ラインの柔軟性を保つことで需要変化に対応する差別化を図っています。実務面ではエネルギー管理スタートアップAMPの買収や、AppleやTesla出身者などからの人材採用を通じてソフトウェアと充電インフラ領域の能力を強化しています。
新市場開拓と事業再編では、サブスクリプションや統合サービスの拡大で定常的な収益を増やす計画を打ち出しています。商用顧客向けのFord Proは車両販売にとどまらないサービス提供で市場シェア拡大を狙い、金融面ではFord Creditを通じた顧客向けファイナンスも事業の要になっています。一方で、採算が見込めない事業や拠点は整理・売却を進めており(例:サナンド工場の売却、デンマーク事業の売却完了など)、リストラ関連で2025年に約5億ドル程度の追加費用を見込むなど、資本配分の厳格化を進めています。
技術革新への取り組みは車載ソフトの常時接続やデジタルサービスの拡充が中心で、同社は「常時オンのデジタル体験」を提供することを重視しています。車両に埋め込むモデムの活性化やサブスクリプション化でサービス収益を伸ばすとともに、バッテリー原材料(リチウム・コバルト・ニッケル等)や電力管理技術への投資も継続しています。ただし、同社自身も業界全体でEV普及のペースが想定より遅いことを認識しており、投資のタイミングとコスト競争力の両立を重要課題として慎重に進めています。