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EAGLE MATERIALS INCEXP
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事業内容
EAGLE MATERIALS INC は、ポルトランドセメントや石膏ボードを中心に、道路や住宅、商業施設の建設で使われる建材を製造・販売しています。さらに骨材(砂利・砕石)、生コンクリート、再生紙板(石膏ボード用裏紙)なども手がけ、米国内に70以上の拠点を持って供給網を運営しています。
同社の主要な顧客は建設会社、ゼネコン、建材流通業者などで、売上は建設活動や人口増加に左右される周期的・季節的な傾向があります。売上の大半は米国内の地域市場から得ており、特に人口成長が見込まれる州に収益が集中しているため地域密着の販売が収益構造の特徴になっています。
事業は大きく重質資材と軽質資材の二セクターに分かれており、重質資材はセメントとコンクリート・骨材、軽質資材は石膏ボードと再生紙板の四つの報告セグメントで構成しています。各セグメントは地域ごとに分散した工場ネットワークと長期の原料埋蔵量を背景に、輸送コスト低減や稼働柔軟性を重視して低コスト生産を目指し、買収と設備投資での成長も進めています。
経営方針
同社は安定的な株主還元と成長の両立を目指しています。資本配分の優先順位として、厳格な投資採算基準を満たす成長投資、低コスト生産者の地位を維持するための設備投資、余剰資金の配当と自社株買いを掲げています。直近の決算では2025会計年度の売上高は23億ドル、純利益は4.634億ドル、希薄化後1株当たり利益は13.77ドルを記録しており、同期間に120万株、2.98億ドル相当の自社株買いを実施しました。過去5年間で買収に3.884億ドル、有機的設備投資に5.455億ドルを投じ、配当・自社株買いで約18億ドルを株主還元に充てた実績があります。
同社は設備・原料の優位性に重点投資を行い、地域ごとに低コスト生産を徹底することで差別化を図っています。8つの近代的セメント工場や5つの石膏ボード工場、約70の施設ネットワークを活用して輸送コストを抑え、各工場が最低25年(多くは50年超)の原料埋蔵量を確保している点を強みにしています。日々の運営は分権化して個別ブランドで展開しており、顧客理解・ブランド認知・物流面で地域優位を築くことで、競争が価格中心となる建材市場でのマージン確保を目指しています。
新規市場開拓と事業拡大では、買収と有機成長を併用する戦略をとっています。近年は北ケンタッキーおよび西ペンシルベニアの骨材事業を取得してネットワークを拡張し、2025年1月の西ペンシルベニア買収では買収対価が約1.5億ドルと公表されています。重資材セクターには2012年以降約26億ドルを投じ、米国内のセメント能力を2倍以上に拡大してきました。今後はオクラホマの石膏ボード工場の近代化・拡張に約3.3億ドルを投じ、稼働容量を25%増の年間15億平方フィートに引き上げる計画で、2027年下期の完成を見込んでいます。
技術革新への取り組みとして、同社は生産プロセスの効率化と環境負荷低減を両立させることを掲げています。生産ラインの近代化や継続的な保守プログラムで稼働率とコスト効率を高めるほか、燃料の混焼や排出抑制設備への投資で排ガスや炭素インパクトの低減を図っています。紙製品リサイクルの増強(2020年に7000万ドルで生産能力を約15%拡大)や、安全・環境指標を経営評価に連動させる仕組みも導入しており、技術・運用面の改善を通じて長期的な競争優位の確立を目指しています。