EXELIXIS, INC.EXEL

時価総額
$113.9億
PER
がん治療薬の研究開発・販売の大手。カボザンチニブ(CABOMETYX)などの中核抗がん剤を展開。2018年5月にInvenraと多特異抗体で提携、2024年4月に複数の共同研究を終了、2025年1月期の製品売上高18億ドルを計上。米国・欧州・日本で展開。

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企業概況
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業績概況
テーマ
1項目)
ブランド
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ライバル企業
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同業種の日本企業
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事業内容

EXELIXIS, INC.は主にがん治療薬の研究・開発と商業化を行うバイオ医薬品企業です。同社は経口の標的薬カボザンチニブ(商品名CABOMETYX/COMETRIQ)を中核製品として複数の適応症で販売し、併用療法や新適応の臨床開発を進めています。

主な顧客は専門医療卸や専門薬局、病院や診療科の医師で、これらを通じて患者に薬を届けています。収益は製品販売が中心であり、加えて共同開発先やライセンシーから得るマイルストーン収入やロイヤルティ、協業による契約収入も重要な収入源です。

事業は商業化活動と研究開発の二本柱で一本化した報告セグメントとして運営しています。製品ラインはカボザンチニブを軸にしており、過去にライセンスした化合物からのロイヤルティや、臨床段階にある候補薬、外部企業との共同研究・ライセンス契約を通じた新薬創出も事業の重要な部分を占めています。

経営方針

同社は売上成長と収益維持を両立させることを成長の大枢に据えています。2024年の製品売上は約18.1億ドル、総収入は約21.7億ドル、純利益は約5.2億ドルと堅調な収益基盤を持っており、主力薬品であるCABOMETYX(カボザンチニブ)の継続的商業成功に依存しています。同社は今後もCABOMETYXの適応拡大と新たな商業承認を追求し、2025年には最大で3件の新規候補化合物を前臨床に進める計画を掲げています。これに伴い研究開発費は増加する見込みで、マーケティング投資やブランド課金(Branded Prescription Drug Fee)も2025年に増えると想定しています。

同社は重点的にがん領域への投資を行い、差別化は既存薬の新適応開発と組み合わせ療法の創出にあります。特に免疫療法との併用や、がんの種類別に設計した後期試験(例:大腸がん、腎がん、頭頸部がん向けの試験群)を進めることで他剤との差別化を図っています。新薬候補は小分子とバイオ医薬品の両面で並行して育成しており、内製研究だけでなく共同研究や導入(インライセンス)を活用することでターゲット選定の柔軟性を高めています。同社は自社での商業生産設備を持たず外部委託で供給を賄う方針をとっているため、製造パートナー管理も重要な投資対象です。

新市場や事業拡大の具体策としては、既存製品の適用拡大による市場シェア獲得と、臨床段階のプログラムを承認につなげることを重視しています。臨床開発ではSTELLARシリーズやCABINETなどの試験を通じてラベル拡大を目指し、成功すれば米国のみならずパートナーを通じた海外展開で売上を拡大する計画です。同時に2024年に実施した人員とコストの再編(リストラクチャリング)や株式買い戻し(2024年に4.5億ドル、さらに2025年枠で5.0億ドルを設定)により資本効率を改善し、成長資金を重要な臨床・商業活動に集中させています。

技術革新への取り組みでは、多様な創薬モダリティの並列推進と外部技術の取り込みを重視しています。同社は多特異抗体などのバイオ技術やPKMYT1阻害剤などの新規標的に投資しており、実際にXL495やザンザリントニブ(zanzalintinib)などの臨床・非臨床プログラムを進展させています。さらに知財の保護と訴訟対応にも注力しており、一部特許紛争での判決により競合ジェネリックの登場が先送りされた実績もあります。加えて、ESGやサイバーセキュリティ体制を整備して企業リスクを低減し、長期的な技術開発と商業展開を支える体制構築を目指しています。