EAST WEST BANCORP INCEWBC

時価総額
$144億
PER
商業・消費者向け銀行業務のアジア系米国コミュニティ向け最大手。クロスボーダー決済や金利・為替・商品デリバティブを展開。2024年12月31日時点で店舗は米国21所有・86賃借、アジア11賃借拠点。本社はカリフォルニア州パサデナ。

事業内容

East West Bancorp, Inc.は米国を拠点に消費者向けと企業向けの銀行業務を主に展開しています。同社は支店網とインターネット・スマホ向けサービスを組み合わせ、預金口座や住宅ローン、事業向け融資、国際送金や貿易金融といった業務を提供しています。特に米国とアジアを結ぶ越境ビジネスに強みを持ち、企業の国際取引を支援する融資や為替ヘッジの助言も行っています。

同社の主要顧客はアジア系米国人コミュニティや中小企業、それに米国とアジアで事業を行う法人で、個人の預金者や法人顧客が収益の中心です。収益構造は貸出金利と預金の利率差による利ざやが基盤で、資金管理や為替、融資手数料、資産管理に係る手数料収入も重要な収益源となっています。

事業は大きく「消費者・事業銀行」「商業銀行」「資金管理などの全社機能」のセグメントに分かれています。消費者・事業銀行は支店とデジタルで預金、住宅ローン、ウェルスマネジメントを扱い、商業銀行は商業不動産、建設・設備融資、運転資金や貿易金融、信用状といった法人向け融資を中心にしています。資金管理部門は全社の流動性や金利リスクの管理、内部資金配分の調整を担っています。

経営方針

同社は資産規模の拡大と収益性の向上を両立させることを成長戦略の中核に据えています。直近の2024年決算では総資産が約7,598億ドル(前年約6,961億ドル)と約9.1%増加し、純利益は約11.66億ドル、株主資本利益率(ROE)は15.93%でした。配当は1株当たり2.20ドルに引き上げ、取締役会が承認した総額5億ドルの自己株買い枠の下で2024年には約1.44億ドルを消化するなど、株主還元と資本効率の向上を目指しています。

同社は米国とアジアをつなぐクロスボーダー商業銀行としての強みを差別化の柱にしています。商業決済やトレジャリー(資金管理)関連商品、法人向け融資に重点投資しており、特にアジアとの貿易・資金取引に強みを持つことが競争優位性です。店舗は米国内に所有21拠点、賃借86拠点、さらにアジアに賃借11拠点を展開し、地域密着の関係構築を重視する一方で、人材面では幹部の後継計画や採用・育成に投資して安定したリレーションシップ営業を維持する方針です。

新規市場開拓や事業拡大では、既存の支店網とデジタルチャネルを活用して中小企業向け貸出や商業決済の深掘りを進めます。国外では香港・上海・深センなどアジア主要拠点を通じた法人顧客獲得を継続し、M&Aやローン購入による成長も戦略の一部です。実際に2024年は約10億ドル相当のローン買い入れを実行しており、こうした買収型の拡大は収益基盤の多様化に寄与する一方、買収先の資産品質評価や統合コスト、規制承認といったリスク管理も重視しています。

技術革新については、店舗とデジタルを組み合わせたオムニチャネル化を推進し、モバイル・オンラインバンキングを継続的に強化して顧客体験を高めています。商業決済やトレジャリー商品では導入・拡充に資本を配分し、効率化と収益機会の創出を図っています。またサイバーセキュリティ面では、予防・検知・緩和・復旧を柱とする情報セキュリティプログラムを整備し、デジタル化に伴う運用リスク管理にも取り組んでいます。