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ENERTECK CORPETCK
事業内容
ENERTECK CORPはディーゼル燃料向けの添加剤およびエンジン処理製品「EnerBurn」を中心に事業をしています。同社は燃費向上や排出ガス低減を狙った製品を販売し、米国環境保護庁(EPA)での登録を有する製品を保有しています。
主要顧客は独立系のディストリビューターで、同社は国内外へこれらの販売代理店を通じて供給しています。売上は出荷時点で計上し、国内は通常掛け(30日)、海外は前払いが基本で、上位数社への依存度が高い点が収益構造の特徴です。
事業は製品の製造・品質管理と販売支援が中心で、実際の生産は外部の受託メーカーに委託しています。販売面では導入前の効果実証(プルーフ・オブ・パフォーマンス)を行い、必要に応じて出荷ごとに分析証明書を発行して品質を担保しています。海外展開には各国での登録や追加試験が必要になる場合があり、これが事業拡大の重要な要素になっています。
経営方針
同社は短期的に営業キャッシュフローの改善と追加資金調達により、12カ月内の資金不足を解消して事業の継続性を確保することを目指しています。具体的には、経営陣は今後12カ月の費用を約100万ドルと見込み、同期間における運転資金の確保を最優先課題としています。現状の財務は厳しく、2022年12月31日時点で現金は約1,035ドル、流動資産に対する負債超過は約1,189万ドルと報告されており、追加の外部資金や関係者からの貸付がなければ想定する成長シナリオの実現は困難です。
同社は重点的に製品登録と販売チャネル整備へ投資しています。主力製品「EnerBurn」は米国での環境当局(EPA)の登録を2件保有しており、これを維持・拡大するための試験や手続きを強化する方針です。また、販売は主に独立系の販売代理店を通じて行っており、2022年は上位4社で売上の92%を占めるなど販売集中リスクが高いため、代理店支援や品質証明(出荷時の分析証明書)を強化して差別化を図っています。製造は外部委託で行っており、生産安定化や代替サプライヤーの確保も投資対象になっています。
新市場の開拓では、同社はEnerBurnの海外登録とフリート(車両運行事業者)や廃棄物輸送業者など用途特化の顧客獲得を目指しています。国際登録には追加の試験が必要となる可能性があり、これに伴うコストを見込んで資金調達を進める計画です。販売戦術としては、顧客ごとに効果を示す「証明試験(proof‑of‑performance)」を実施して導入のハードルを下げる一方で、そのためのデモ費用や機材負担がかかるため、費用負担の分担策や代理店ネットワークの拡大で効率化を図る方針です。資本面では発行済株式数が36,380,690株、転換や新規発行による希薄化要因としてワラント最大4,940,000株、オプション1,235,070株がある点も資金調達戦略に影響します。
技術面では、同社は製品の性能維持と改良に注力しています。出荷前の品質試験や分析証明書の発行をルール化するとともに、廃棄物処理業者との共同でDPF(粒子捕集フィルター)関連の改善試験を行い、実運用での優位性を検証しています。知的財産は帳簿上で評価されており、将来の登録や規制対応に備えて追加試験・改良を継続する計画ですが、規制の強化や技術進化に伴う市場ニーズの変化を注視し、製品適合性を維持する取り組みを続けています。