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EVERSOURCE ENERGYES
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事業内容
Eversource Energyは米国北東部を拠点とする公益事業持株会社で、主に電力と天然ガスの送配電や水道事業を通じて地域のエネルギー・ライフラインを支えています。住宅や事業所への安定供給に加え、停電対応やインフラの維持・更新といった運営業務を日常的に行っています。
同社の主要顧客は家庭、商業施設、産業顧客、自治体など幅広く、各州の規制当局が認可する料金体系に基づく配電・送電料金が収益の柱です。これに加えて卸売送電収入や再生可能エネルギーへの出資収益、一時的な資産売却益などが収入を補完し、規制事業モデルにより比較的安定した現金収入を確保しています。
事業は大きく電力の送配電、電力の送電(系統)事業、天然ガスの配布、そして水道事業のセグメントに分かれます。電力部門は配電網の強化や復旧力の向上に注力し、ガス部門は供給と保守を担い、同社は再生可能エネルギーへの関与や水道事業(Aquarion)の売却といった戦略的な資産管理を通じて資本配分を進めています。
経営方針
同社は規制事業を中核に安定した成長と資本効率の改善を目指しています。2024年には送配電・ガス網などの設備投資に合計で約34.4億ドル(3,441.9百万ドル)を振り向け、インフラの更新と信頼性向上を優先しました。資金調達面では2024年に普通株を15,740,294株発行し、純収入約9.894億ドルを得ており、これらを成長投資や資本構成の強化に活用しています。また水事業(Aquarion)は売却合意に至っており、売却の企業価値は約24億ドル、うち株式部分が約16億ドル、約8億ドルのネット有利子負債が精算される見込みで、売却代金は親会社の債務削減に充てる計画です。
重点投資分野は送配電の強靭化、送電網の拡張・近代化、並びに天然ガス配管など既存インフラの維持強化です。同社は規制下の安定収益基盤を差別化要因とし、規制当局との連携によるコスト回収メカニズムや、運用効率の向上で総合的な信頼性を高めることを目指しています。なお、Aquarion売却の過程で関連するのれんの減損として2.97億ドルを計上しており、資産最適化を進める姿勢が示されています。
新市場や事業拡大については、コアである電力・ガスの送配電サービスに注力しつつ、再生可能分野への関与も継続しています。具体的には洋上風力プロジェクト(SouthFork、Sunrise、Revolutionなど)への持分投資に関与しており、将来的な再生可能電源の導入を通じた需給多様化を図っていますが、一部持分投資では損失や減損が生じており、投資判断は慎重に行われています。Aquarion売却は2025年末のクロージングを目指しており、売却後は得た資金で親会社の負債を圧縮し、コア事業への集中を進める方針です。
技術革新への取り組みではサイバーセキュリティと情報システムの強化を重視しています。取締役会の財務委員会が定期的にサイバー対策の報告を受ける体制を整え、送配電の遠隔監視や自動化、データ活用による運用最適化に投資しています。また、ITシステムの近代化に伴う設備投資や減価償却を進めることで、障害対応力や復旧力を高め、顧客サービスの質向上とコスト抑制の両立を図っています。