EQUINOR ASAEQNR

時価総額
PER
石油・天然ガスと再生可能エネルギー事業の大手。オフショア風力、グリーン水素、CCSなど低炭素ソリューションを展開。2024年1月に米国オフショア風力資産をスワップで取得、12月にナイジェリア資産をUSD682百万で売却。約30カ国で欧州・北米・南米を中心に展開。

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企業概況
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業績概況
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同業種の日本企業
3社)

事業内容

EQUINOR ASAは、主に石油と天然ガスの探査・開発・生産を中核とする総合エネルギー企業です。同社は原油・天然ガス・関連液体燃料の販売を軸に、発電や洋上風力、グリーン水素などの再生可能エネルギー事業にも積極的に投資しています。

同社の主要な顧客は電力会社、産業分野の大口需要家、精製業者や国際的なトレーダーで、短期の市場販売と長期供給契約、トレーディング収益を通じて収入を得ています。またパイプラインや端末、精製所など中流・下流資産からのサービス収入や、再エネでの電力販売が収益の一部を占めています。

同社は事業を大きく分けて、上流の探査・生産(E&P)、販売・トレーディングや加工・輸送を担う中流・下流(MMP)、洋上風力や太陽光、蓄電、グリーン水素などを扱う再生可能エネルギー部門(REN)、および研究・デジタル・技術開発(TDI)の各セグメントで運営しています。各セグメントは資産開発と商業運営を組み合わせ、石油・ガスの価値最大化と再生可能分野への成長を両立させることを目指しています。

経営方針

同社は「幅広いエネルギー企業(broad energy company)」への転換を成長戦略の柱に据え、2050年までのネットゼロを目指す一方で石油・ガスの価値を維持する方針を掲げています。具体的には再生可能エネルギーや低炭素ソリューションへの投資比率を引き上げることを明示しており、財務面でも現金・現金同等物は約81.2億米ドル(2024年末)を保有するなど投資余力を確保しています。経営は投資の選別を重視しており、資産売却で得た資金(例えばナイジェリア売却で約6.82億ドル、アゼルバイジャンで約7.13億ドル)や戦略的買収を組み合わせて成長資金を賄う方針です。

重点投資分野は洋上風力や陸上の太陽光・風力、グリーン水素、二酸化炭素回収・貯留(CCS)などの低炭素分野にあります。同社は既存の油ガス開発・運営で培った大型プロジェクトの実行力を差別化要因と位置づけ、例えば米国のMarcellusで持分を拡大して平均権益を40.7%に高めるなど高収益性の資産にフォーカスしています。また、Ørsted株の約10%取得(評価額およそ19億米ドル)やEmpire Windの完全取得など、洋上風力の権益・ノウハウを積極的に取り込むことで競争優位を築いています。

新市場開拓では、地域ごとの最適なプレゼンス強化とパートナーシップ活用を進めています。英国ではシェルと英国の上流事業を統合する合弁を合意しており(完了は規制承認次第で2025年末を想定)、これによりRosebankやMarinerなどの資産を共同で最適化します。ブラジルのRio Energy買収や米国でのオンショア・オフショア風力のスワップ取引、シェール資産取得(2024年末に約12.42億米ドルで権益を追加取得)など、地域・技術を横断した拡大戦略を取っています。

技術革新については、同社は研究・技術開発(TDI)やデジタル化を投資の中核に据えています。油・ガス資産の電化や排出低減技術、CCSや水素プロジェクトへの資本配分を進めるほか、投資判断に内部カーボンプライスを組み込むなど意思決定プロセスに気候・技術要素を反映させています。加えてサイバーセキュリティや運用効率化の強化も並行して進め、単位生産コストを同業の上位四分位に保つことを目指すなど、技術でコスト競争力と脱炭素の両立を図る方針です。