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EPAM Systems, Inc.EPAM
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事業内容
EPAM Systems, Inc.はグローバルにソフトウェア開発とデジタル変革サービスを提供する企業です。同社はソフトウェア製品の企画から設計、開発、テスト、導入、運用・保守までの一連の工程を担うエンジニアリングとコンサルティングを主力に、クラウド移行やAI活用を含む技術支援を行っています。
顧客は大手ソフトウェアブランドをはじめ、金融、メディア、製薬・ヘルスケア、製造、小売などのグローバル企業が中心で、案件ベースの開発に加え長期の保守・運用契約やチーム常駐による収益が大きな柱になっています。同社は顧客との継続取引が多く、2024年は収益の約65%が5年以上の関係から生まれ、上位5社で約16%、上位10社で約23%を占める一方で顧客分散も進めています。
事業は大きく製品エンジニアリング(研究・設計から導入・保守まで)、クラウドとインフラ、データ・分析と人工知能、ユーザー体験(UX)設計、そして運用支援・管理サービスに分かれています。加えて同社は業種別の専門チームを持ち、ハイテクやソフトウェア製品、ビジネス情報・メディア、ライフサイエンス/ヘルスケア、金融や小売、エネルギー、自動車など各業界向けの業務最適化や製品化支援を行っています。
経営方針
同社は持続的な収益成長と株主還元の両立を目指しています。2024年の連結売上高は前年比で約0.8%増、為替の影響を除いた定数通貨ベースでは約0.7%の成長となり、営業利益は約8.6%増(定数通貨では約9.7%増)と利益率改善が見られました。財務面では、取締役会は2024年8月に最大5億米ドルの自社株買い枠を承認しており、2024年通年で185万4千株を約3億9800万ドルで買い戻すなど、資本効率の向上と株主還元を重視した資本政策を実行しています。同社は現金、短期投資および営業キャッシュフローで少なくとも直近12か月の資金需要を賄えるとし、必要に応じて追加のM&Aや投資に備える方針です。
同社の重点投資分野はデジタルエンジニアリング、クラウド移行、データ・解析、そしてAI(人工知能)を活用した業務改革です。特に生成系AIへの取り組みや、データアクセラレータやAIフレームワークの自社開発に力を入れており、これらを通じて顧客の生産性向上や新規事業創出を支援しています。差別化の源泉としては、高度なソフトウェア開発力と長年の大口顧客関係(2024年は売上の65.4%が同社のサービス利用が5年以上の顧客によるもの)に加え、独自のプロジェクト管理ツールや品質・情報セキュリティ管理(ISOやSOCレポートでの適合)といった内部プロセスが挙げられます。
事業拡大では、国内外の買収を戦略的に活用しており、2024年にはNEORISを約6.263億ドル(2024年11月1日買収)で、First Derivativeを約3.007億ドル(同年12月3日買収)で取得しました。これらの買収はラテンアメリカや欧州での地理的プレゼンスと業界別の能力を強化するもので、その他にもライフサイエンス分析や地域拡大を目的とした中小規模の買収を実行しています。同社は大規模で複雑なプロジェクトを獲得・遂行することを重視しつつ、顧客ポートフォリオの多様化(2024年の上位5社の売上占有率は15.8%、上位10社で23.4%)を進める計画です。
技術革新への取り組みとしては、AI・生成AIの実装をビジネス価値につなげる「戦略→設計→導入→運用」までのエンドツーエンド体制を整備しています。データ基盤のクラウド移行やデータガバナンスの構築、業界特化型のソリューション(例:ヘルスケアやライフサイエンス向けの研究支援)にも投資しており、人材育成や研修、拠点開設といった人的資本への投資も継続しています。加えて、情報セキュリティやプライバシー対応の強化により、規制対応のコスト・リスクを抑えながら技術導入を推進する姿勢を示しています。