EMBRAER S.A.EMBJ株価

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商用機とエグゼクティブ機の製造の最大手。フェノム/プレーター等のエグゼクティブジェットとE2型100〜150席機、整備・部品供給を展開。2024年12月31日時点で累積出荷シェア29.1%を保有。ブラジル政府がゴールデンシェア保有。北米・欧州・アジアで展開。

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事業内容

Embraer S.A.は航空機と関連サービスを設計・製造・販売するグローバル企業で、地域航空機、ビジネス(エグゼクティブ)ジェット、国防・セキュリティ向けシステム、そしてアフターサービスを手掛けています。E2と呼ばれるリージョナルジェットや、Phenom/Praetorシリーズのビジネスジェットに加え、次世代の都市型航空モビリティ(eVTOL)などの新技術にも投資しています。

同社の主要顧客は世界中の航空会社(ネットワーク/リージョナル/LCC)や政府・軍、企業や富裕層で、航空機の販売が売上の中心を占めます。加えて整備・部品供給・長期支援契約が安定した継続収入となっており、受注は固定価格契約に基づきオプションや保守パッケージを含めて管理し、確定受注(バックログ)を重視しています。

事業は大きく「商用航空」「エグゼクティブ航空」「防衛・セキュリティ」「サービス&サポート」のセグメントに分かれており、それぞれで製品ラインと収益源が明確です。商用部門は座席150席までのジェットで強みを持ち、エグゼクティブ部門は小型からスーパーミッドサイズまでの機種で市場シェアを伸ばし、防衛部門は輸送機や練習機、レーダーや衛星を含む統合ソリューションを提供し、サービス部門は整備・訓練・部品供給で長期的な顧客関係を支えています。

経営方針

同社は安定的な成長と市場シェアの拡大を目指しています。2024年末の総受注残高は約263億ドルに達しており(商用航空:102億ドル、ビジネス航空:74億ドル、サービス:46億ドル、防衛:42億ドル)、2024年の実績ではビジネス機を130機納入しており、全機種で約18%の市場シェアを獲得しました。2025年の計画では商用機の納入を77〜85機、ビジネス機を145〜155機と見込んでおり、納入台数の増加と受注残高の消化を通じて売上・利益の継続的拡大(2024年の売上は約63.9億ドル、当期利益は3.546億ドル、純利益率5.5%)を図ろうとしています。

同社は重点分野に選択と集中で投資を行い差別化を図っています。ビジネス航空では製品ラインをフェノム/プレーター系の4機種に整理し、Phenom 300Eは13年連続で最多納入を維持するなど商品競争力を強化しています。防衛分野ではKC-390やA-29といった機種で国際案件を獲得しており、サービス分野ではアフターサービスと部品供給を拡充して受注残高に結びつける戦略を取っています。開発費負担を軽減するためにリスク共有パートナーから開発資金として2014年以降総額約14.35億ドルを受領しており(2024年時点で必要マイルストーンは達成)、これを活用して差別化された製品・サービスを提供しています。

新市場開拓と事業拡大ではグローバルな販売網と技術連携を活かして領域を広げています。防衛機の受注は韓国、オーストリア、チェコなど複数国で進展しており、KC-390は老朽機の代替需要を取り込む狙いです。また、都市航空モビリティ(UAM)や電動垂直離着陸機(eVTOL)など新領域には子会社EVEや電動推進の合弁(Nidecとの連携)を通じて参入し、サービス&サポートの受注残高(2024年で約46億ドル)の裾野を広げています。資本面では運転資金や開発投資を営業CF、融資、顧客前受金、リスク共有の現金拠出で賄う方針を示しており、2025年初頭には債券の部分的買戻し(総額約4.11億ドル)を行うなど財務の最適化にも取り組んでいます。

技術革新への取り組みではデジタル化と持続可能性を優先しています。社内でのソフトウェア人材育成プログラム(大学連携のソフトウエア専門化プログラムや社会的多様性向けのSocial Techなど)により過去3年間で1,700人超が修了し、データ駆動の業務改善を進めています。製造面では生産の平準化(Production Leveling)で納入の季節性を抑え、工程管理やサプライヤー能力の評価を時間単位で行う仕組みを整備しています。さらにeVTOL、電動推進、都市向け航空管制システム、サイバーセキュリティ(Tempest買収等)などに投資し、低燃費・低環境負荷の航空機と関連サービスを通じた中長期的な競争優位の構築を目指しています。