eHealth, Inc.EHTH

時価総額
$1.1億
PER
民間ヘルス保険マーケットプレイスの最大手。プラン比較・推薦ツールや電子申込、オムニチャネルのeコマースプラットフォームを展開。H.I.G.が2021年4月に2億2500万ドル出資。180社超の保険会社と提携、米国全土で展開。

事業内容

eHealth, Inc.は、消費者向けの健康保険マーケットプレイスを運営し、オンラインと電話、チャットなどを組み合わせたオムニチャネルのプラットフォームで保険の比較・選択から申込みまでを支援しています。主力サービスは、数千件に及ぶ医療保険プランの比較・推奨ツールと、入会手続きを簡素化する独自のオンライン申請システムです。

同社の主要な顧客は保険を探す個人や家族、また保険を販売する保険会社であり、保険会社との契約を通じて収益を得ています。収入は加入成立に応じた手数料や固定報酬、パフォーマンスに連動した報酬、さらに同社の技術を貸し出すライセンス料や事後サービスの対価などで構成されています。

同社の事業には、プラン比較・推奨ツール、ダイナミックなオンライン申請・入会フォーム、保険会社と接続するデジタル連携機能、代理店支援の管理システム、会員が自身の情報を管理できるカスタマーポータルなどの製品群が含まれます。これらを組み合わせることで、消費者がオンラインで自分に合った保険を見つけやすくし、保険会社にとっても効率的な流通チャネルを提供しています。

経営方針

同社は短期的には成長の加速と収益基盤の多様化を目指しています。2024年はメディケア需要の高まりを受け、年間登録期間(AEP)に集中投資してメディケア事業の会員獲得と収入拡大を図り、同年の手数料収入は約4億6,160万ドル、未収手数料は2024年12月31日時点で約10億ドルに達しました。2023年に完了した数年にわたる変革プログラムで採算面の改善を実現しており、2025年以降は年中を通じて事業を拡大するため、売上の季節性を緩和しつつ会員維持率とコンバージョンの向上に注力する計画です。

同社はマーケティングと対人活動に重点投資することで差別化を図っています。2023年10月のリブランディング以降、直販テレビ、郵送、検索広告などのチャネルを拡充し、ターゲット別の訴求とオムニチャネル体験の再設計によりリード品質と電話・オンラインの成約率を改善しました。さらに、相談員(ベネフィットアドバイザー)による対面的な支援を重視し、専用のエンロールメントセンターへの投資やスクリプト支援、研修強化で販売品質を維持することで他社と差別化しています。同社の市場は180を超える保険事業者の数千件の保険商品で構成されており、幅広い選択肢を中立的に提示することが競争優位の柱です。

新市場開拓と事業拡大では、既存のブローカー型収入に加え、メディケア補完保険(Medicare Supplement)やE&I(保険業務代行)など年中販売可能な商品への展開を進めています。同社はメディケア補完の専任チームを設置し、取扱いキャリアの拡大や消費者向けのエンドツーエンド体験の強化を図っています。また、保険会社向けの業務受託やプラットフォームライセンスを通じたB2B展開、さらには雇用主向け(ICHRA等)のソリューション提供も推進しており、手数料型収入に加え前受けや固定報酬型の契約を拡大して収益の安定化を目指しています。

技術革新への取り組みでは、同社は自社のテクノロジーとコンテンツチームを中心に機能強化を継続しており、消費者向けの「プラン比較・推奨」ツールやMatchMonitor™など会員の変化を追跡する仕組み、動的なオンライン申込フォームや電子署名、保険会社との電子連携により申請処理を自動化しています。さらに、コ・ブラウジングやチャットを含むオンライン支援と電話支援を統合したオムニチャネル基盤や、統一データプラットフォームを活用した個別最適化でコンバージョンと維持率の向上を図っています。加えて、ライセンス提供やキャリア向けの受託契約を通じて技術を収益化し、将来的なAIなどの新技術導入も視野に入れながらサービスの差別化と効率化を進めています。