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EASTGROUP PROPERTIES INCEGP
事業内容
EASTGROUP PROPERTIES INCは、主に米国サンベルト地域で立地重視の物流・流通向け工業用不動産を開発、取得、運営する内部運用型の上場不動産投資信託(REIT)です。同社は幹線輸送に近い供給制約のあるサブマーケットにある倉庫・配送拠点を中心に保有し、主に20,000〜100,000平方フィート規模のテナント向け施設を展開しています。
同社の主要顧客はサードパーティ物流業者、通販事業者、製造業や卸売業など立地とアクセスを重視する企業で、収益の大半は長期リースからの賃料収入が占めます。同社は開発やバリューアップによる価値向上、物件売却、そして株式発行や借入を組み合わせた資金調達を行い、REITの分配要件に基づいて投資家へ配当を還元しています。
事業は運用中の賃貸ポートフォリオ、開発・バリューアップ案件、取得・売却のサイクルで構成されており、それぞれを連携させて資産価値を高めています。同社はテキサス、フロリダ、カリフォルニア、アリゾナ、ノースカロライナなどに地域拠点を置き、自社で資産管理やリーシングを行うことで稼働率や賃料の最適化を図っています。
経営方針
同社は主要サンベルト市場(テキサス、フロリダ、カリフォルニア、アリゾナ、ノースカロライナ等)で、20,000〜100,000平方フィートを主対象としたロケーション重視の流通施設を開発・取得・運営することで株主価値の最大化を目指しています。直近では2024年に取得した稼働物件の取得総額が約$390.0百万(2,474,000平方フィート)にのぼり、開発・付加価値案件の残高は同年末で約$674.5百万と、取得と開発の両輪で成長を図っている点が特徴です。配当政策は取締役会が状況に応じ決定する方式で、2024年の1株当たり現金配当は$5.21028となっており、安定的なキャッシュ・リターンも重視しています。
重点投資分野は「主要輸送ノードに近接する供給制約のあるサブマーケット」に集約されており、同社はこうした立地に機能的で柔軟な倉庫・物流スペースを集中的に保有することで差別化を図っています。テナント負担で固定費(税金・保険・共用部維持費等)を按分する契約構造を多く採用しており、これにより運営費上昇(インフレ等)に対する感応度を下げるという実務的対策を講じています。また、ポートフォリオの約87%(面積ベース)を自社のプロパティマネジメントで運営する体制を整え、現地管理と収益性改善(稼働率向上やリーシング効率)に直結させています。
新規市場開拓と事業拡大については、買収と自社開発の併用で成長を進める方針です。2022〜2024年にかけてサンベルト各地で大型取得を継続しており、資本調達面では2024年10月に最大$1,000百万の「ATM(随時発行)プログラム」を設定しており、同年の公募・売出では約1,373,459株を平均$174.30で発行し約$239.4百万を調達しています。こうした資金基盤を背景に、供給制約のあるサブマーケットでの高稼働物件取得や開発を通じて賃料上昇や貸出増に備える計画です。
技術革新への取り組みでは、情報セキュリティとITの堅牢化を経営リスク管理の中核と位置づけています。クラウドや外部ベンダーの活用を前提に、アクセス管理や脆弱性診断、社員向けのセキュリティ教育、外部コンサルによる侵入テストを実施しており、サイバーインシデントへの対応体制を強化しています。加えて賃貸・会計・資産管理システムを通じたポートフォリオ管理の効率化を進め、リーシング情報や収益データを迅速に把握して投資判断に反映する運用改善にも注力しています。