DAVITA INC.DVA

時価総額
$87.1億
PER
透析・腎ケアサービスの米国大手。外来透析センターと統合腎ケアプログラムを展開。2024年11月にAPACジョイントベンチャー取得で買収。2024年12月31日時点で約80,300人の患者を受け入れ、米州・欧州・アジアで展開。

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企業概況
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業績概況
テーマ
1項目)
ブランド
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2社)
同業種の日本企業

事業内容

DAVITA INC.は主に慢性腎不全患者向けの透析治療を提供する医療サービス企業です。同社は外来透析センターの運営を軸に、血液透析などの定期治療とそれに付随する看護や臨床管理を行っています。近年は慢性腎臓病の予防から移植支援までを含む、腎ケアの幅広いサービスにも注力しています。

主要な顧客は透析を必要とする患者と、治療費を負担する公的保険(メディケア、メディケイド)や民間の保険会社です。同社は2024年12月31日時点で約80,300人の患者にサービスを提供しており、外来センターでの治療回数や保険からの診療報酬が収益の中心となっています。加えて医師との共同出資(ジョイントベンチャー)や検査・薬剤などの付随サービスも収益に寄与しており、米国透析収入の約30%がジョイントベンチャー関連から発生しています。

事業構成は、米国内外の外来透析事業、付随するアンシラリー事業(在宅透析、検査、移植支援など)、および企業管理の各セグメントに分かれています。同社は買収や新規センター開発、医師との提携を通じてネットワークを拡大し、国際展開も進めています。競争の激化や各国・各州の規制対応、医師や紹介元との関係維持が今後の成長の重要なポイントとなっています。

経営方針

同社は安定的な成長と株主還元の両立を目指しています。2024年末時点で約80,300人の患者にサービスを提供し、同年の純利益は約9.36億ドルに達しました。成長資金の一環として取締役会は2024年9月に20億ドルの自社株買い枠を承認しており、2024年の株式買戻しは約13.9億ドル規模で実行しています。こうした資本政策と収益力を背景に、同社は事業拡大と財務の健全性を両立することを目標としています。

同社は取得と共同出資(共同事業)を通じた拡大に重点投資しています。米国事業では医師や医療グループと組む共同出資のモデルを強みとしており、こうした共同事業は米国内透析収益のおよそ30%を占めています。差別化の核は幅広い拠点網と医師との密接な関係、そして透析以外も含む「腎ケアの連続性」構築にあり、慢性腎臓病から透析、移植支援まで一貫したケア体制を提供することで支払者や紹介元と競争優位を築くことを目指しています。

海外展開や新市場開拓も重要な柱です。同社は国際展開を着実に進めており、ブラジル、コロンビア、チリ、ポーランド、ドイツ、マレーシア、英国など13か国で合わせて約509の外来透析センターを運営または支援しています。2024年11月にはアジア太平洋の合弁事業を完全子会社化するなど、地域ごとの買収や新規センター開発を通じて市場シェアを拡大する計画です。また、保険者と連携した成果重視の契約(バリューベースケア)や、移植の支援サービスなど周辺事業の拡充にも取り組んでいます。

技術革新では臨床安全性の向上と運営効率化に焦点を当てています。同社は月次の労働安全・感染対策監査や隔月の生体医療機器監査を電子化しており、臨床上の有害事象を電子的に収集・分析する体制を整備しています。これに加え、電子カルテやデータ解析を活用して患者管理や治療最適化を図り、将来的には遠隔診療や新しい薬剤・治療法の導入に向けた準備を進めています。こうした投資で品質とコストの両面を改善し、総合的な腎ケアプロバイダーとしての競争力を高めることを目指しています。